今回取材した「株式会社タケツネ」さんの輪奈ビロードは
「紋織り(もんおり)」というもので
ジャカード織機で織る柄のあるビロードです。
ではその行程を写真でご説明します。
穴をあけて柄を表した「紋紙(もんがみ)」という
パンチングカードを用いて織るジャカード織機です。
最近はコンピュータジャカードが中心ですので
紋紙で織ることが少なくなっています。
ちなみに今日の「コンピュータ」の原理は
このジャカード織機のパンチングカードの発明が
もとになっているのです。
基本的には「白生地」という、白無地のジャカードを織ります。
色のついた針金(テグス)を差し込んでいるので
柄の輪郭がわかりやすくなっています。
![Exif_JPEG_PICTURE]( https://textile-tree.com/wp-content/uploads/2010/11/RIMG0198-600x450.jpg)
織り上がった輪奈ビロードです。
以前は針金を使っていましたが
現在はポリエチレンのテグスを使っています。
![Exif_JPEG_PICTURE]( https://textile-tree.com/wp-content/uploads/2010/11/RIMG0215-600x450.jpg)
「紋切り」の作業です。
柄などを毛羽(けば)だたせたいときは、テグスを入れたまま
このようなカッターで1本1本糸をカットしていきます。
![Exif_JPEG_PICTURE]( https://textile-tree.com/wp-content/uploads/2010/11/RIMG0202-600x450.jpg)
最後は1本ずつテグスを抜いていく「針抜き」という作業です。
輪奈ビロードは「滋賀県伝統的工芸品」にも指定されています。
今回お話をして頂いた武田社長です。
実は今回とてもすごいお話しを伺いました。
誰もが知っているフランスのあのスーパーブランドが
タケツネさんの輪奈ビロードに惚れ込んで
生地を織って欲しいとオファーされたそうです。
しかし、着物が中心のタケツネさんの織機で
幅の広い洋服生地を織るには大変な技術と労力が必要とされるため
このお話はお断りになったとか…
しかし、武田社長は現在新しい織り方の輪奈ビロードにも
取り組んでおり、常に進化を目指している方なのです。