素材の話

信長が上杉謙信に贈った「輪奈(わな)ビロードVol.4」

今回取材した「株式会社タケツネ」さんの武田社長から
織田信長が上杉謙信に送ったことで知られる
ビロードのマント「赤地牡丹唐草文天鵞絨洋套」が
「輪奈ビロード」であることを伺いました。
専門家の方からこのような見解を伺うのはとても信憑性があります。

当時はジャカード織りができなかったので
無地の総輪奈ビロードを織り
その上に絵柄を描き、絵柄のない部分をカットして毛羽(けば)を出します。
絵柄には輪奈が残り、柄のない部分は
いわゆる「ビロード」の光沢と起毛となります(赤がはっきり出ている部分)。

なかなか大きな写真がないので
わかりにくいとは思いますが
だいたいのイメージがつかめるのではないかと思います。

16世紀に鉄炮を包んでポルトガルから日本に伝来し
17世紀頃から日本で織られるようになったビロードですが
“本物”は、今なお多くの人を魅了しています。

輪奈ビロードのシリーズは今回で終了です。