素材の話

日本製軍服生地の復刻版があのブランドに!

ニッケ衣料繊維分野の「ニッケのモノ作りの真価」を伝える展示会の続きです。
愛知県の一宮にある「ニッケ創作工房」には
1860年頃から約100年間にわたり収集された
ヨーロッパの生地見本帳や大正末期から現存する
日本毛織の織物見本などが数多く所蔵されています。
その一部が今回展示されていました。

にっけ4-2ニッケ4-4大正時代の陸軍の外套を復刻した生地(メルトン)

ニッケ4-3

昭和11年の海軍の緋絨(ひじゅう)の復刻。緋絨は軍服に使う赤(緋色)の生地です。

ニッケ4-1

1859〜1981年の「近代ヨーロッパコレクション」
ラシャ織物屋さんから寄贈されたものだそうです。
これらは「ニッケ創作工房」で閲覧することができます。
訪ねてくるデザイナーさんも多いようです。

プルミエールビジョンで採用された生地が製品化されたものが
展示されていました。
大々的にはご紹介できないので小さな写真や部分写真ですが…
ちょっとだけ!

ニッケ2-8

右から3番目はフランスのスーパーブランドBの製品。
軍服の復刻版生地が採用されたものでかなり固くハリがあります。
このブランドのデザイナーが好みそうなかっちりした
フォルムの作れる素材です。

こちらは08年春夏にフランスの人気ブランドCに採用された
ウールのシフォンジョーゼットです。
上品なシャリ感、落ち感があるしなやかな素材で
手触りもまるでシルクのようです。
現在も国内外で非常に人気の高い素材です。

ニッケ5-1

「近代ヨーロッパコレクション」復刻版のモヘアループネップツイードです。
ハリのあるモヘアループとカラーネップのミックス感が絶妙なツイード素材です。
05年AWにアメリカのJ社に採用されています。

このほか300番手の極細シフォン天竺など
究極の技術とクオリティを目指した織物や数々の機能素材も
展示されていました。
新技術の機能素材はこちらのHPでも検索できます。
https://www.nikke.co.jp/business/Lines_1/

昨今「なぜ2位ではだめなのですか?」という発言が話題になりましたが
世界一を目指すからこそ、
日本の技術力や品質が注目され信頼へとつながっていくのです。

日本一高い山が「富士山」であることは知っていても
2番目に高い山を知っている人などほとんどいませんものね。

1番でなければ話題にはならないのです。

もちろん1番になろうと思っても簡単になれるものではありません。
単なるビジネスだけではなく、
研究費をかけ、より上を目指して頑張っているニッケに
おおいにエールを送りたいものです!

【Textile-Tree/成田典子】