素材の話

山本耀司特別講演「自分の目で見ろ!見る力を育てろ!」

文化ファッション大学院大学(BFGU)ファッションウィークで
山本耀司さんの特別講演がありました(1月28日)。
パリコレクション前の超忙しい合間を縫っての講演。
「本当はこんな場所で話したくはないのです…」といいながらも
長年一線で活躍している現役クリエーターの
気概を感じさせる刺激的な言葉であふれていました。

自分にとって「抵抗と反抗」がもの作りを続ける
エネルギーとなっているという話から始まり
日本人は便利になってしまった時代に甘やかされ、
どこにいっても同じようなものになっている
「フラット化」を危惧。
同じような店、同じような商品が溢れているだけではなく
カッコイイ男も女も年々減っているのだといいます。

インターネット時代になり、
映像でしかものを見ない若者が増えているが、
そういう人がものを作れるのか危機感を覚える。
「コンピューターで見て分かった気になるな!」
「自分の目で見ろ!」「見る力を育てろ!」
見る力がどれだけ大事かを強調したいと力説。
匂いを感じ、肌で感じることの大切さ、
見た気になっているのが、
ものを作る若者にとってはとても危ないのだと。

講演の後半は質疑応答の時間となり
この講演の後、ショーを行うロシアやオーストリアの学生などの
質問にも丁寧に答えていました。

「20年後、30年後のファッションはどうなっていると思いますか」
最後に質問した学生に
「勝手にしやがれ!」
という言葉で締めくくり、カッコよく退場。
学生はもとよりファッション業界に関わる人たちの
心に強く響いた講演でした。