いつも無料で素晴らしい展覧会を企画している
文化学園ファッションリソースセンターで
内藤ルネの原画展が開催されています。
2015・4/13(月)~4/24(金)
グッズ販売目的かな‥と思う「内藤ルネ展」が目立つ中、
さすがリソースセンターでは
希少な内藤ルネの「原画」を充実させた
展示が行われています。
↑内藤ルネと直筆の挨拶文(かつて展覧会を開催した時のもの)
内藤ルネを“女性”と思われている方も多いので、
ルネ自筆のメッセージと一緒に展示されている
顔写真を見て、驚かれるかもしれません。
自分の容姿にコンプレックスを持っていたルネの
数少ないお気に入りの写真です。
↑シャーリーテンプルのお人形の指示書だと思います。
2007年と日付があるので、ルネの亡くなった年のもの。
ルネファンにはたまらないですね。
↑デジタルな今の入稿とは違う、
アナログ時代の印刷指定原稿。
イラストに“トレペ”がかけられて、
色指定などがされています。
展示会では、ルネの「白い部屋」「赤い部屋」を
彷彿させるコーナーも設置。
ブームとなった白いペンキを塗った医療用戸棚もあり、
ここで記念撮影ができるようにしたり
展示会の写真撮影もOKです。
内藤ルネには「光と影」の2つの顔があります。
少女たちを虜にした「カワイイ」の世界は有名ですが
もう一つは『薔薇族』の表紙に代表される
同性愛者としての内藤ルネの顔です。
内藤ルネの版権の所有者は、同性愛者としての
内藤ルネの部分をあまり表に出したがらないようで
メディアの露出がかなりセーブされています。
今回のファッションリソースセンターの展覧会では、
『薔薇族』時代のルネの原画も展示。
しかしこの原画は「撮影不可」となっています。
内藤ルネに興味のある方は、
『内藤ルネ自伝 すべてを失くして―転落のあとに』
(小学館クリエイティブ)
をご一読ください。
内藤ルネの多彩な才能、
純粋でちょっとナマナマしいくらい
人間味あふれるルネが垣間見られます。
↑編集者としても優秀だった内藤ルネが手がけた
『ジュニアそれいゆ』。企画、イラスト、レイアウトetc.と、
ほとんどすべて自分でやってしまう才能の持ち主です。
この展示会でちょっと残念だったのは、
ビスクドール(アンティークドール)の
コレクターとして有名だったルネの
ビスクドールがひとつも展示されていないことです。
ルネ亡き後に全てがオークションで売買されてしまったようです。
いつかルネ自身のコレクションや
ルネ自らプロデュースした部屋など
ルネが愛した「ルネワールド」が集められた
本格的な内藤ルネ展が行われることを願ってやみません。