被災地は既に経済復興の段階に入っており
単に「被災地の品物」ではなく
ビジネスとしてきちんと成り立つ一流のもの作りを目指すべき。
そう語っている糸井重里さんの新聞記事がありました。
![ほぼ日]( https://textile-tree.com/wp-content/uploads/d73270845811a5976608fc2cb3e9163d-e1332613417485.jpg)
糸井さんが主宰する『ほぼ日刊イトイ新聞』は
気仙沼に事務所を開設し、復興支援を続けながら、
地元が自立できる新しいビジネスを模索していました。
その方法のひとつとして考えているのが
気仙沼の漁師のおかみさんパワーを結集した
“フィッシャーマンズセーター”ビジネスだというのです。
しかも、1着10万円以上を目指し
本場の英国から講師を呼んで指導してもらう。
その後はそのノウハウを他の人に伝えていき定着させ
サイトを通じ、世界中に販売したいと。
鳥肌が立ちました!
“フィッシャーマンズセーター”は
アイルランドのアラン諸島で編まれる
“アランセーター”とも呼ばれる
伝統的な手編みのセーターです。
島の女性が、漁に出る夫や恋人のために編んだことから
“フィッシャーマンズセーター”の名があります。
![柄290-291]( https://textile-tree.com/wp-content/uploads/a05c28f5a6ac3344ce770e61461e7504-450x319.jpg)
“フィッシャーマンズセーター”には漁に出る男たちのために、
安全と豊漁を願う独特の「アラン模様」が編み込まれます。
それぞれに意味の持つさまざまな「アラン模様」があり、
女性たちは工夫を凝らしメッセージを込めた柄を構成し編んでいきます。
(『テキスタイル用語辞典』より抜粋したページ)
まさにそのルーツといい、
気仙沼の漁師のおかみさんのビジネスにうってつけ。
防水性のある未脱脂ウール(脂を抜かない)の
太い毛糸で編まれる“フィッシャーマンズセーター”は
ごわごわしているので、編むのにもかなり力がいります。
やわな女性の手では歯が立たないかもしれませんが
漁網の扱いにも慣れている逞しい漁師のおかみさんの
根性があれば、それも可能。
気仙沼が日本のアラン諸島となり
伝統的な“フィッシャーマンズセーター”の産地になるなんて
なんてロマンがあるのでしょう!
ぜひ応援したいものです。
そしてこの「一流もの作りコンセプト」を、
地方の活性化や産地の活性化に活かせないものか…と。