素材の話

美しく、かつ快適。トリアセテートの「COOLバランス」Vol.2

三菱レイヨン・テキスタイル2013春夏展示会の第2弾です。

今年2月のプルミエールビジョンに出展し
海外ブランドから人気の高かったベスト15がピックアップされていました。
日本では、ソフトな肌触りを求める傾向があり
トリアセテートとポリエステルの組み合わせがほとんどですが
海外ではトリアセテート100%も定番素材として使われ
黒を中心に縮緬風などの需要もあります。

・・・・2013春夏のトレンドカラーのオレンジ・・・・


・・・・プルミエールビジョンのPICKUP15・・・・

最近ではセリーヌなど、トレンドセッターのブランド需要も増え
鮮やかな色使いやスポーティな表現など
随分トリアセテートのイメージも変化してきました。

布帛やカットソーが中心の「ソアロン」ですが
「接触冷感性」「吸湿速乾性」「ウォッシャブル性」などが見直され
横編みニットでも注目されはじめました。


・・・・美しい光沢と着心地の良さを訴求する「ソアロン」の横編み・・・・

トリアセテートは“黒”の発色がいいことから
ブラックフォーマル素材として定評があります。
これは繊維に溝があるため、乱反射することで
深みのある染色が可能になるのだといいます。
今回の展示会ではレースのトリアセテートにも力が入っていました。

・・・・美しいピンワークでドレーピングしたドレス。
ピンワークのできるデコレーターさんもほとんどいらっしゃらなくなったようです。
三菱レイヨン・テキスタイルでは今後も続けていきたいと話していました・・・・


・・・・通常、エレガントなレースはレーヨン素材が多いですが
トリアセテートのレースだとウォッシャブルが可能になります。
トリアセテート無地とレーヨンレースの切り替えのデザインに起っていた、
「水洗いすると縮みができてしまう」という問題も解消されます・・・・

トリアセテート素材は、米沢、新潟、尾州、桐生などの産地とコラボしたり
企業とコラボして、さらなる機能素材にも生まれ変わっています。
先日の尾州産地の『尾州マテリアルエキシビジョン』でも
清涼感のある春夏の有力素材としてトリアセテートの提案も目立っていました。

・・・・蝶理(株)に「ソアロン」の原糸を提供し、蝶理(株)が開発したコート用の機能素材・・・・

今回の展示会で貫かれていたのは
「“いい素材”はトータルなバランスでみると、決して高いものではない」
ということです。
このことは最近の低価格傾向と対極にあらわれてきているもので
いい素材、いいクォリティの商品を着ることは結果的には長持ちしているし、
「いいものを着ていることが自分の自信にも繋がる」ということに
気がつきはじめた人も多くなってきました。
新しい日本のマーケットの動きに期待がかかります。