情熱スクールnet!

山梨ハタオリツアー(byあをやま)

お久しぶりです。あをやまです。

寒さ厳しい師走の山梨、富士吉田界隈の機屋を巡るバスツアーのレポートです。物作りの現場は今尚、芯の強さが感じられました。本来アパレルさん対象でしたが空きが出ての特別参加。変革期の今、産地の現状はいかに?という疑問があり同行させて頂くことに。

新宿から高速で向かうバスの中、行程説明と山梨の機織りの歴史についてレクチャーがありました。ざっくりまとめると「江戸時代、南蛮貿易で海気(カイキ)という美しい絹織物が持ち込まれた。山梨は地理的に江戸から遠いため、軽くて高値で売れる高技術の生地を織るようになった。」
明治になり海気→甲斐絹(カイキ)と改めたそう。品質は確かだけど卸す上での縛りもあり産地の知名度は今ひとつ。最近は山梨ブランドとしてアピールしています。

⬆️まずシケンジョでその甲斐絹の現物資料を見せて頂きました。

⬆️かなり薄地です。羽織りの裏に使われた判じ絵や凝った解し織。

⬆️更に複雑な絵甲斐絹という技術。経緯違う柄もあり奥行き感を感じます。

⬆️次は整理加工の山梨県織物整理さん。まずは元祖ニードルパンチ機を体験させて頂きました。ウールメインの生地に好きな素材を載せて無数の針が上下する機械に通します。

⬆️同じ大きさの生地を用意すればクッションカバーが出来そう。

毛焼きの機械もありました。生地の毛羽を焼いて滑らかに仕上がるものの、リスクが大きいので受ける加工所はほとんどないそうです。本日機械は作動してませんが、担当の方は30年以上のベテランだとか。

⬆️その方は洗いのエリアに。水を含んだ布は重いので男性の仕事になるとのこと。

幅出しの機械です。これらの針に生地端を刺すそうです。生地端の穴の疑問が晴れました。☀️その他加工のサンプルも見せて頂きました。

⬆️外は富士山ドーン!加工に使う水は富士山の伏流水です。

⬆️源氏さん。ランチは吉田うどんです。スープが美味しく完食しました。コスパも素晴らしいです。(500円前後)
しかしさすが吉田うどんの歯応え。移動の時間が迫る中、まだ食べ終わらない。💨黙食を心がけましたが笑いが込み上げました。冷たいうどんは顎砕きと言うそうです。ああ納得。

バスで西桂町へ。

⬆️日常にこんな景色、良いですね。富士山ドーン!

⬆️武藤さん。糸の撚りから行い、ミミまで美しい薄地をシャトル織機で織る機屋さんです。

⬆️八王子の機屋から譲られた織機もありました。既に生産されてない年代ものだから欲しい人には貴重です。機屋の繋がりってすごいなぁ。

⬆️シルク×カシミヤのストールは下に置いた手の指輪がハッキリ見えるほどの薄地でした。

⬆️槙田商店さん。高級傘地&傘製造販売や服地を作っています。

⬆️こちらの傘地はジャカード織。

⬆️プリントとは違う迫力があります。

⬆️資料室では生地サンプルとアンティーク生地のアーカイブを拝見しました。たまたま開いた蔵書はフランスのアンティークリボンでした。解し織×ジャカード、かなり凝ってます。

⬆️店頭では傘と端切れがありました。既にバスへと移動する時間、掴んだ3種の生地を購入しました。💨シルク混のジャカードサテン、ふんわりウールのアニマルジャカード、オンブレチェックの傘地。何を作ろうか、連れて帰るのが楽しくなりました。

⬆️富士製氷をリノベーションした会場でアート展も見学しました。保育所も併設されていて、この建物はこれからも長く地域に残るんだなぁと嬉しく思いました。個人的に懐かしい建築物でした。

下吉田ではこのエリアの機屋さんが集結した展示会が。

⬆️舟久保織物さん。解し織の傘地で知られています。その経糸が展示されてますが、プリントも行っているそうです。広範囲の販売はせず修理を受けているので、こちらの傘を長く使われる購入者も多いとのこと。既にSDGsです!

⬆️光織物さん。エキナカで見た記憶が。目をひくデザインです。スターウォーズの御朱印は男性に人気だそうです。お風呂セットは女性デザイナーの企画。確かに温泉(とか銭湯)好きな若い女性、いますね。楽しいお風呂ライフを想像します。♨️

⬆️田辺織物さんてっきり帯地と思ったら寝具と表記されてました。この幅を3枚剥いで婚礼用の布団にしたそうです。それでおめでたい柄なんですね。

⬆️今は羽毛など寝具も多様化して、別の用途に向けて織っているそうです。子供時文に先代と桐生の職人さんを訪ねたエピソード、山梨に桐生出身の職人が数名いたエピソード、桐生との繋がりが強かった歴史を伺いました。

まだまだお話聞きたいのですが、ああバスの時間が!💨

富士吉田界隈の機屋さん同士は結束力が強いそうで良いムードでした。小ロットのビジネスの話も相談できるそうです。又ワークショップもあり短期滞在で機屋さんと交流、体験ができるようです。宿泊施設や食事、カフェも困らなさそうだし散策も楽しそう。

駆け足のバスツアーでした。インデックスとして巡らせて頂いた一日ですが充実していました。久しぶりの産地見学はコロナ前より濃密に思われます。機屋の皆さん、アパレルの方々、シケンジョの担当者さん、真剣にお仕事に向かわれる姿勢が印象的でした。もちろん富士山と綺麗な空気も。