編集長ブログ

百か日

初七日、四十九日(七七日)など、
亡くなった時に当たり前のように聞く言葉ですが
その意味を深く考えたことはありませんでした。

明日4月30日は主人の百か日です。
百か日は、嘆き悲しみ大声で泣くことを卒業することを
意味するもののようです。
百か日の導きの仏様が観音菩薩様でした。
観音菩薩様は、世の中のすべてのもののを声を聞き取られ
慈悲と救いの手を差し伸べられます。
百か日では残された人たちの悲しみや畏れなどを救い上げ、
死者の魂が次に生まれ変わるために行う修行が
安心して行えるように見守ってくださるといいます。

そういうことも知らず、『つなぐ通信』の近江取材で
長浜市高月町にある渡岸寺(とうがんじ)観音堂で、
日本一美しい観音様ともいわれる
国宝の十一面観音にお会いすることができました。

IMG

私は、水上勉の『湖(うみ)の琴』で
この観音様のことを知り、
会いたくてたまりませんでした。
彫りの深いお顔立ち、少し腰をくねらせた
官能的ともいえる佇まいの、
まさに小説に書かれていたように
惚れ惚れする観音様でした。

「主人がいいところに行かれますように」
と、お願いしてきました。

今日、弘子姉さんから電話がありました。
早瀬で百か日の供養をお願いしています。
今日は主人のお母さんの命日でもあります。
「明博は母ちゃんと一緒に並んで喜んでいるだろうね」
そう言いながら弘子姉さんも、
この現実がまだ信じられないといいます。

主人はいつも私と一緒にいます。

けどもういないのだと、現実を突きつけられると
本当に切なくなります。
涙が止まりませんでした。

百か日が過ぎても
涙が止まることはないと思います。
しようがありません。