素材の話

「TLF第86回東京レザーフェア」VOL.2/富田興業(株)のトレンド発信力

TLF第86回東京レザーフェア」のなかでも特に
トレンド発信力が目立っていた「富田興業(株)」をご紹介します。


・・・・2013春夏のテーマは「NUDE〜色氣・元氣〜」・・・・

2013春夏は「NUDE〜色氣・元氣〜」をテーマに
明確なカラートレンド打ち出した、視覚効果のある展示。
今シーズンの核となる白のバリエーションをはじめ
ネオンカラー、ヌードカラー、メタリック、透明感のあるパステルカラー
などが提案されています。

一見、色の打ち出しに見える素材も、よく見ると微妙な後加工が施され、
質感や色感に奥行きを感じさせるものが増加しています。
洗い加工やダスティ加工などの極端なものは姿を消し
透明感をポイントにしたきれいめな方向へ。
箔、型押し、パンチング、色ムラや陰影感、濡れたような光沢など
2次加工、3次加工などで色や質感に高度なテクニックを加えた
繊細な表現に新しさを感じます。


・・・・サンドやアスファルト、黄味、ピンク味など微妙な色味のある
ホワイトのバリエーション。
マット、パウダリー、ガラス、エナメル、パールなどのバリエーションが
ありますが、エナメルも薄塗りのような上品な光沢の方向にあります。
白×ヌードカラー、白×メタリックカラー、白×ネオンカラー、
白×パステルカラーなど、白はすべてのカラーの基本色・・・・


・・・・注目のネオンカラー(蛍光色)。エナメルだけではなく、
エキゾチックレザーにもネオンカラーなどの鮮やかな色使いが新鮮・・・・


・・・・ヌードカラーはナチュラルレザーだけではなく、
パウダリーな加工やマットなメタル加工など
ラグジュアリー感があるものも・・・・


・・・・白やヌードカラーにラグジュアリー感をあたえる
エナメル、パールなどの光沢素材や、ミラー箔などのメタリック素材。
明るい色調や少しムラ感を出した軽いタッチに新しさを感じます・・・・


・・・・「白」が重要となる今シースンは、少し色褪せたような軽さや
透明感が重要です。革の質感や色調も単調なものではなく、
型押しやムラ感、重ね色使いのある色調で陰影や濃淡を出すなど
2次加工のテクニックが増加しています・・・・


・・・・型押しのドット柄も、よく見ると箔を乗せて小さなドットを型押しした上に
さらにドットを型押しするという、3段階の工程・・・・


・・・・パステルカラーなど明度が増した今シーズンのカラーレンジ・・・・


・・・・ナチュラル感のある素材は、パンチングや型押しなどで
より繊細さを出したレーシー感覚が今シーズンのイメーージ・・・・


・・・・トライバルタトゥのような型押しと色使い・・・・


・・・・レザーにもレーストレンド。レザーにレースを貼ったもの・・・・


・・・・型を抜き切らず残した、プレシャスなパンチングレザー・・・・


・・・・エキゾチックレザーは、スネークやリザードのように「斑(ふ)」の
細かなものに人気が集まっています・・・・


・・・・色使いも単調な単色ではなく、絵筆からぽたぽたと雫を落としたような
自然な濃淡のドット柄。グラデーションな色使いで透明感を表現しています・・・・


・・・・ヴィンテージ感のある加工も白っぽさやきれいめがポイントです・・・・


・・・・今シーズンのコンセプトカラーの「グリーン」を全身にまとった
アートディレクターの藤田晃成さん。パンツは“鯉のぼり”から作ったものとか!
富田興業(株)はスタッフのファッションも存在感を放ちます・・・・


・・・・ファッションディレクターの峠原(たおはら)直実さん。
展示会のブースのディレクションや革のカラーディレクションなど、
トータルなディレクションを行います。
今回の展示会のGREEN WALLも彼女の制作です。
ファッショングッズMD入門』の著書もあるファッショングッズの専門家・・・・


・・・・副資材メーカー(株)丸上とコラボした、2013春夏のトレンドシューズ。
スエード×メタリック、ナチュラルカラー×ネオンカラーなどの使い方が新鮮・・・・

 

【Textile-Tree/成田典子】