バンタンデザイン研究所のポリシーのひとつに
「今成功しているプロによる教育」があります。
講師の先生の中には国内外で活躍している
現役のクリエーターも目立ち
そのひとりにパターンを教えている
竹本昌広さんがいらっしゃいます。
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先日の「バンタン カッティング エッジ」で
お会いする機会があり、色々お話しを伺うことができました。
竹本さんはエスモード卒業後、渡仏。
その後アントワープ、イタリアなどのアパレルや
コレクションブランドでパタンナーを勤めるなど
7年間の海外経験を経て昨年帰国。
来年は自分のブランドを立ち上げる予定といいます。
なぜ、若く(まだ30歳です!)現役バリバリの竹本さんが
バンタンデザイン研究所のパタンナーの講師になられたかに
とても興味がわきました。
竹本さんが海外生活で感じたのは
「日本はすごい!」「日本人はすごい!」
ということだといいます。
海外で目にするクレーン車やちょっとした機械などは
ほとんどが「made in Japan」。
海外で働いている日本人の多くは、勤勉で優秀な方が多く
文句も言わず黙々と働くので、ものすごく評判がいい。
しかし、裏を返せば、控えめで自分を主張しないので
「いいように使われてしまう」ということにもなりかねない。
日本人クリエーターをみていると、才能があるのに
「プレゼン能力」が弱い。
自己表現や、作品のプレゼンテーションが下手なため
とても損をしている部分があることを感じたといいます。
![Exif_JPEG_PICTURE]( https://textile-tree.com/wp-content/uploads/RIMG01751-337x450.jpg)
竹本さんは、海外では知名度の高いコレクションブランドも受け持ち
かなり力をつけて帰国。
現在は自分のブランドを立ち上げる準備をしていますが
その準備期間に、自分のもっている経験と技術で
日本の若いクリエーターの「ボトムアップ」をしたいと考え
「パターンの講師」を選んだのだといいます。
日本のファッションンレベルをもっと高めるには
若い世代の「ボトムアップ」が必要と思ったからだといいます。
まだ30歳の“若者”が、ここまで考えるのかと
本当に驚かされ、感動すら覚えました。
竹本さんは今回の「バンタン カッティング エッジ」の
審査員も務めており、予選審査から学生に
厳しいコメントを出していました。
ショーでも学生の作品のチュックを熱心にされていた竹本さん。
バンタンデザイン研究所は講師の先生たちを
学生には「先生」と呼ばせていないようです。
「○○さん」と呼ばせ、常に同等の立場で
プライドを待たせて教育するのだとか…
そういう校風もあり、若い竹本さんは学生からは
「アニキ」と、呼ばれているようです。
「アニキ」の愛称には
おそらく、親しみと尊敬の念が込められているのでしょう。
最近、学校の講師をされる方には
非常に志が高い「現役」のクリエーターが増えているようです。
特に海外での実績や経験を生かした方たちによる
質の高い「ボトムアップ」教育が目覚ましく、
これにはベテラン講師もかなりの刺激を受けています。
リアルタイムの生きた授業は、
今後の日本のクリエーションの大きなカギを握るのは
間違いないでしょう。
学校教育のありかたに希望が見えた思いでした。