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「第51回全国ファッションデザインコンテスト」受賞発表

デザイナーの登竜門として注目度も高い
第51回の「全国ファッションデザインコンテスト」の
最終審査会・表彰式が10月12日(土)杉野ホールで行われました。
(主催:一般財団法人ドレスメーカー服飾教育振興会、
学校法人杉野学園/後援:文部科学省、東京都)
学生・一般が応募する「作品制作の部(第1部)」、
高校生が応募する「高校生デザイン画の部(第2部)」の構成で、
国内外からの応募があります。


・・・・・審査はアキラ ナカ(デザイナー)、小笠原拓郎(繊研新聞社)、
研壁宣男(デザイナー)、萩原輝美(ファッションディレクター)、
森 英恵(デザイナー)など5名の審査員で行われ
その場で点数がつけられ、スクリーンに表示されます・・・・


・・・・スクリーンに点数がつくたびに頷く人、不満足そうな人、
高得点には会場がどよめきます・・・・

今回の第1部では、日本、中国、ロシア、韓国、フィリピン、
モンゴルなどから2096点の応募があり、デザイン画による一次審査で
50名の作品が入選。
デザイン画に基づいて制作された作品(内2点が出場辞退)の
最終審査で、下記の賞が決定し、賞金、賞状、
トロフィー(楯)が贈呈されます。
「文部科学大臣賞(賞金100万円)」、「東京都知事賞(賞金30万円)」
「杉野芳子賞(賞金30万円)」、「優秀賞(賞金10万円)」、
この他12社による企業賞があり、記念品等が贈られます。

受賞作品をご紹介します。


・・・・最高賞の「文部科学大臣賞」には、
岐阜県の石神明莉さん(アンファッションカレッジ)の作品。
「クリスタル」をイメージにした美しいグラデーションです。
「日本フォーマル協会賞」とのダブル受賞。
アンファッションカレッジは、ファッションの勉強ができる高校。
高校レベルの学校が受賞するのは多分初めてのことだと思います・・・・


・・・・「東京都知事賞」は京都府の前田詩織さん
(ディーズファッション専門学校)。蜂の巣をイメージにした
モダンな作品。「イトキン賞」とのダブル受賞。
前田さんは前回も「杉野芳子賞」「日本フォーマル協会賞」を
受賞しています・・・・


・・・・「杉野芳子賞」は神奈川県の岡村成美さん(杉野服飾大学)・・・・


・・・・「優秀賞」は北海道の中原玲奈さん
(北海道ファッション専門学校)・・・・


・・・・・「優秀賞」は石川県の今津美香さん
(愛知文化服装専門学校)。
「オンワード賞」とのダブル受賞・・・・


・・・・「三陽商会賞」は東京都の花見義朗さん
(ドレスメーカー学院)・・・・


・・・・「レナウン賞」は新潟県の中尾香澄さん
(国際トータルファッション専門学校)・・・・


・・・・「クロスカンパニー賞」は愛知県の佐野祥子さん
(名古屋学芸大学)・・・・


・・・・「東レ・ディプロモード賞」は埼玉県の小松 奨さん
(杉野服飾大学)・・・・


・・・・「富士吉田商工会議所会頭賞」は
山梨県の相川樹恵さん(ドレスメーカー学院)・・・・


・・・・「日本綿業振興会賞」は愛知県の林 しほさん
(愛知文化服装専門学校)、生地の糸を抜いて柄を表現したもの・・・・


・・・・「大日本蚕糸会賞」は中国の陳 健民さん
(浙江紡織服装職業技術学院)・・・・


・・・・「繊研新聞社賞」は神奈川県の轟 綾乃さん
(ディーズファッション専門学校)・・・・


・・・・「ブティック社賞」は神奈川県の工藤智美さん
(ドレスメーカー学院)・・・・

審査員からの講評では、
コンテストに力が入り過ぎたのか、ディテールにこだわり
近視的にものを見ているような作品が目立ち
全体のバランスに欠けていたものが多かった。
もう少しマイナス(引き算)の要素を入れても良かったのでは…
受賞作品は「ヌケ感」「距離感」があって良かったと、萩原輝美氏。

小笠原拓郎氏は、
クチュールのようなテクニックを駆使したものは
コンテスト映えするが、そろそろその向こう側にある
「現代のモダニズム」を考える時代に来ているのではないか。
セリーヌのフィビー・フィロ、ディオールのラフ・シモンズなどの
モダンなクリエーションを例にあげていました。

また、アキラナカ氏も「コンテスト作品」の次の課題にふれました。
全体として服が大きかったため、服にばかり目がいき
着ているモデルに目がいかなかった。
もう少し「女性を引き立てる」ことを意識してもいいのではないか。
「大きさ=強さ」にはならず、小さくても強い作品はある。
以前自分のクリエーションでも
デザインが強調された服はリアリティから離れ、
リアリティある服は強さから離れていくことに
悩んだ時期があった。
しかし、リアリティと強さを兼ね備えることは可能。
そういう人が未来の服を作って行くのではないかと。

研壁宣男氏は、
一針一針に気持ちを込めた作品に感動した。
手の込んだものが多く、目の前のマテリアルに「魂を込めて」
作っていることを感じた。
しかし、魂を込めることと、「心を込めて」作ることは違うと思う。
着る人の気持ちを考えて「心を込めて」作っているのか…
それに気がついた時に、もうひとつ大きく
今より脱皮できると思うとコメントしました。
このコンテストもすでに51回目。
回を重ねるごとに、「コンテストのための作品」という考えを
脱却する時期に来ていることを、
審査員のみなさんは感じているようでした。


・・・・高校生デザイン画の部(第2部)で「文部科学大臣賞」を
受賞した千葉県の松山 唯さん(千葉県立佐倉東高等学校)と作品・・・・


・・・・高校生デザイン画の部(第2部)で「東京都知事賞」を
受賞した大分県の工藤美菜実さん(大分県立芸術緑丘高等学校)と作品・・・・


・・・・高校生デザイン画の部(第2部)で「杉野芳子賞」を
受賞した岐阜県の井上千瑛さん(アンファッションカレッジ)と作品・・・・


・・・・入賞者のデザイン画が1階のフロアで展示・・・・


・・・・「文部科学大臣賞」「日本フォーマル協会賞」の石神明莉さんの
デザイン画や、「優秀賞」「オンワード賞」の中尾香澄さんの
デザイン画も見られます・・・・


・・・・高校生デザイン画の部(第2部)の展示と親睦会が
開かれていました・・・・

「第50回全国ファッションデザインコンテスト」はこちら
http://www.textile-tree.com/schoolnet/?p=2990