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文化学園大学卒業イベント『火の鳥』

今年で第6回目を迎える文化学園大学 国際ファッション文化学科の
卒業イベント『火の鳥』が、12月7日・8日開催されました。
ファッションショーとは一線を画す、
演劇、オーケストラや声楽、バレエやモダンダンス、新体操などの
パフォーミングアーツとファッションを融合させたイベントは
国際ファッション文化学科ならではもの。

武蔵野音楽大学とコラボしたオーケストラの生演奏も楽しめ
カルチャー満載の「ヴィジュアルブック」も制作されるなど
総合力を結集した非常に質の高いイベントです。
ドラマチックな舞台に魅了されリピーターとなる方も多く、
今年も期待通りにたくさんの方達を感動させてくれました。

「卒業イベント」の詳細はこちらをご覧ください↓
http://www.textile-tree.com/schoolnet/?p=2852

2011年卒業イベント『くるみ割り人形』↓
http://www.textile-tree.com/schoolnet/?p=2523

2010年卒業イベント『オズの魔法使い』↓
http://www.textile-tree.com/schoolnet/?p=721


・・・・今回の舞台は長いステージを挟み向かい合わせで観覧する演出。
中央には『火の鳥』を象徴する、黄金の実を付けた「黄金の木」が
設置されています。「黄金の木」は、小平キャンパスの木を剪定した枝を活用。
幹は布を編み込んで作ってあります・・・・


・・・・オーケストラと向かい合わせのステージの先には
蔦のはった城壁をイメージする演出。これも初めての試みです・・・・

『火の鳥』は、バレエ・リュス(ロシア・バレエ団)の創始者でもある
セルゲイ・ディアギレフが企画し、イーゴリ・ストラヴィンスキーが作曲した
有名なバレエ作品です。
これを題材に、[プロデューサーチーム]がシナリオ制作・脚本・映像
・舞台美術・音響・照明までの総合プロデュースを担当。
[ジャーナリストチーム]は「ヴィジュアルブック」や
ポスター、フライヤーの企画・制作。
今年からは、facebookブックやtwitterなどのSNSを立ち上げたり
スポンサーや広告営業活動を行うなど、
実践的な広報活動を担当しています。
「スタイリスト•コーディネーターコース」「映画•舞台衣装デザイナーコース」は
登場人物のキャラクターを分析したり機能性を考慮しながら
演技モデルやダンサーの衣装を制作します。

物語は、お城で王女ツァレヴァナと貴族の娘たちが
ガーデンパーティを楽しんでいるところに
突然魔王カスチェイが現れ、
手下たちに捕われてしまうシーンから始まります。


・・・・貴族の娘たちの衣装はパステルカラーで表現しています・・・・


・・・・貴族の娘たちは捕らえられてしまいます・・・・

お城は魔王カスチェイにのっとられてしまい、闇の城へと変身。
そこに、しばらくお城を離れていた騎士のイワンが戻ります。
美しいお城の植物も不気味な植物となり、イワンに襲いかかります。
そこに「3人のバラ」が現れ、植物を追い払い、
イワンにこうなった経緯など様々な情報を伝えます。


・・・・不気味な植物はたちは食虫植物の“ウツボカズラ”をイメージしています・・・・・


・・・・赤、青、紫の「3人のバラ」は、花びら形の立体的なドレス。
それぞれの色のキャラクターにあわせてデザインされています・・・・

王女ツァレヴァナは、魔王カスチェイから
捕らえられた人たちの命と引き換えに妻になることを強いられます。
王家には「黄金の木の力を利用して永遠の命を手に入れる」言い伝えがあり
魔王カスチェイはそのために
王女ツァレヴァナとの結婚が必要だったのです。


・・・・魔王カスチェイの下僕の「黒衣の集団」。このイベントでは
バレエによる“悪役”表現は初めてかもしれません。本格的なチュチュに
“蜘蛛の巣”をイメージしたモヘア刺繍が施されています・・・・


・・・・魔王カスチェイの衣装は、黒を貴重に蜘蛛、蝙蝠、肋骨などを
イメージするディテール。手に持っているのは、蛇の杖・・・・


・・・・ミステリアスな光を放つ「月の精」・・・・


・・・・月の光の降り注ぐ下で、「黄金の木」に向かい王女ツァレヴァナは
祈りを捧げます。そこに騎士イワンが現れ王女を助けようとします・・・・


・・・・「黄金の木」に棲むフクロウが現れ、言い伝えには
続きがあることを教えてくれます。衣装にはファーや羽を使い、
フクロウらしいリアリティも出しています・・・・


・・・・「王家の紋章」をバッグにフクロウが立ち去る象徴的な場面・・・・

しかし、その言い伝えには続きがあり、
「命をかけて立ち向かう英雄の元には、火の化身が舞い降りる」というのです。
これを教えてくれたのが、「黄金の木」に棲むフクロウでした。
これが『火の鳥』のクライマックスで、
命をかけて魔王カスチェイに立ち向かう騎士イワンに
「火の鳥」が現れて力を与え、
最後は魔王カスチェイを倒し、お城に平和が蘇るというストーリーです。


・・・・魔王カスチェイは、王女ツァレヴァナに人質の命と引き換えに
「結婚の誓い」を迫ります。王女ツァレヴァナは悲痛な思いで誓いをし、
魔王カスチェイは自分の心臓を「黄金の木」に埋め込み、
永遠の命を手に入れます・・・・・


・・・・「魔王の手下」の衣装は、蛇のように這うチューブ、
蜘蛛の巣、血管、骨などのディテールやモチーフが使われています・・・・


・・・・騎士イワンは命がけで戦いますが、
力およばず絶対絶命の大ピンチ!・・・・


・・・・騎士イワンの絶体絶命を「火の鳥」が現れ助けます・・・・


・・・・「黄金の木」も炎のような色に!・・・・


・・・・「火の鳥」の衣装は、炎・生命力・勇気を表現する「赤」と
豪華・神秘を表現する「金」で構成されています・・・・


・・・・「火の鳥」と魔王カスチェイは、壮絶な戦いをしますが、
“永遠の命”を手に入れた魔王カスチェイの力に敗れ、
1枚の羽を残し消えてしまいます・・・・


・・・・騎士イワンは、「火の鳥」が残した1枚の羽に勇気をもらい、
再び魔王カスチェイと戦い、羽で心臓をひと突きし、倒します・・・・


・・・・国に平和を取り戻し、ツァレヴァナは女王となります。
白のドレスはナポレオン帝政時代の“エンパイアドレス”を参考に、
ゴールドの刺繍が施されています。真っ赤なローブにも
ゴールドの「火の鳥」の刺繍・・・・


・・・・女王となったツァレヴァナは、騎士イワンに勲章である剣を授けます・・・・


・・・・お城では盛大なお祝いの行事が行われ、
道化師たちが歌い踊り、幸せを取り戻したことを喜び合います・・・・


・・・・終始少し重いテーマの『火の鳥』でしたが、
楽しい道化師たちのフィナーレは気分を盛り上げてくれます・・・・


・・・・リボン、フープなどの「新体操」の演目もおなじみ!・・・・

この卒業イベントは、モダンダンスばかりではなく、
クラシックバレエや、リボンやフープなどの新体操も
組み入れられるのが特徴です。
卒業イベント草創期に、「たまたま新体操ができる学生がいた」と
いうことらしいですが、現在も続いているのは、もはや“伝統”。


・・・・大きな拍手を受けてのフィナーレ。武蔵野音楽大学のオーケストラや
OB・OGによる声楽も素晴らしかったです。声楽家の衣装も制作しました・・・・

また、文化学園大学国際ファッション文化学科は、
「小平キャンパス」にあるため、
大道具などすべてを「新都心キャンパス」まで運ばなければなりません。
半年前から本格的な準備が始まり、
演出などは、イベントの前日まで修正が行われます。
搬入・搬出も含め、学生や先生たちが朝早く・夜遅くまで作業を行います。
イベントの表舞台に出る方達ばかりではなく、
たくさんの裏方さんによって支えられている総合イベントです。
武蔵野音楽大学とのコラボができるのも大きな魅力です。
学生のみなさん、担当された先生のみなさん、
今年も素晴らしいイベントを見せていただき
ありがとうございました。
そして…「お疲れさまでした!!!」


・・・・ホールには、金刺繍でトリミングされた「火の鳥」を縫い取った
王家の紋章のフラッグが飾られています。オーセンティックないい演出です・・・・


・・・・『情熱スクールnet!』で『大門真優子のFIT便り』を書いてくれている
大門さんも裏方で活躍。「黒衣の集団」の黒いバレエ衣装を制作。
お疲れさまでした!・・・・


・・・・[ジャーナリストチーム]のリーダーの大杉真心さん。
『情熱スクールnet!』で『火の鳥』のメイキングブログを書いてくださいました。
恐らく“秘話” も書いてくださることでしょう!
「ヴィジュアルブック」も素晴らしいできでした。お疲れさまでした!・・・・


・・・・1部500円で販売。見応え読み応えあります・・・・


・・・・今年の「ヴィジュアルブック」表と裏のどちらからも開いてみられる編集。
両方合わせてひとつのデザインになるのも、ポイントです!・・・・


・・・・作品のストーリー、歴史、時代背景のカルチャー、作品の解説など
濃い内容で約100Pの保存版。アンティーク調のデザインもいい感じです・・・・


・・・・会場の外は、次の回を待つ方達でいっぱい!・・・・


・・・・会場の遠藤記念館へ向かう目印として、足元に「火の鳥」の
装飾柄が点々と…