編集長ブログ

『テキスタイル用語辞典』、少しご紹介!

一昨日、『テキスタイル用語辞典』の色校正が終わり
ようやく私の手から離れました。
本当は、校正やレイアウトなどに
もう少し時間をかけたかったのですが
もうこれ以上発売を延ばすことができず、
これでよしとしました。

デザイン会社Office ID Inc.の辛嶋さんと稲垣さんのおかげで
最後の追い込みはすざましく
Textile Treeの『テキスタイル用語辞典』コンテンツ
紹介している編集よりも、かなり精度が上がりました。

今回は「織物」の章のほんのさわりをご紹介します。

「織物」の素材写真は、3.5×3.5cmの実寸大です。
糸の太さや生地の厚みなど、織りの状態がわかるように
素材はできるだけハサミで切って撮影しました。
貴重な素材など切ることのできないものは「角版」で載せています。

レイアウトに差し障りのないものは「250%の拡大写真」を添えました。
織りの状態が非常に良くわかります。
この部分は私もとても気に入っています。

もうひとつの特徴は「コラム」が多いことです。
素材の各項目では説明しきれなかったことや
布の歴史や、まつわる話しなど
調べているうちに、これはぜひ紹介したいと思うものを
ランダムに取り上げました。
「織物」の章では特にコラムが充実しました。
読み物としても面白いものがありますので
「コラムの索引」から引いてぜひご覧ください。

「織物」の章は
「アイリッシュ・ポプリン」や「アイリッシュ・リネン」から始まります。
「アイリッシュ・ポプリン」は、
「ロイヤル・アイリッシュ・ポプリン」と呼ばれるアイルランドの
アトキンソン社のネクタイが有名で、
輸入代理店の渡辺産業(株)さんから送っていただきました。
本物を手に入れられたときは、本当に嬉しかったです。

「アイリッシュ・リネン」は大変希少なもので
本物の「アイリッシュ・リネン」はもう生産されていません。
私も今回色々調べて初めて知りました。
日本では唯一(多分そうだと思います)近江の麻の老舗の
(株)林与さんが糸をお持ちで、織ったものを送っていただきました。
「アイリッシュ・リネン」はコラムでも取り上げました。
(株)林与さんのことは『編集長ブログ』でも時々ご紹介していますが
林社長のブログ『リネン日記』は、面白く本当にためになるブログです。
1月21日には「アイリッシュ・リネン」のことをお書きでした。
ラミー、苧麻(ちょま)のこと、秦氏のこと…
マニアックな(専門的な、というのか…)話しですが、
とても面白く私は大好きです。
しかもそこには林社長のもの作りの哲学がきちんとあり
本当に勉強になります。
ぜひ一読ください(お気に入りに入れてください!)。

『テキスタイル用語辞典』は2月から予約開始する予定です。
期待していてください!