弘子姉さんは、1990年頃から独学で布絵をはじめました。
太刀魚、カボチャ、サバ寿司など、日常の身の回りの食べ物や
そしてこの「おたやん」を主人公にした
昔の暮らしを作品に綴りはじめました。
初めは自分だけの趣味でコツコツ作っていましたが
いつの間にか評判になり
作品展をやって欲しいという依頼が来きて
回を重ねるようになり
地元はもとより、昨年は長崎でも作品展を開催しました。
http://www.nagasakips.com/index.php/diary/649-nunoeten
http://www.nagasaki-np.co.jp/douga/20090602/08.shtml
![](https://textile-tree.com/wp-content/uploads/2011/05/4ae43f9df5687b5396a2301b925f03f4-1.jpg)
・・・弘子姉さんの作品展でもお家の玄関にも
まず「おたやん」が「いらっしゃいませ」と迎えてくれます・・・
私はこの「おたやん」が大好きです。
親しみやすさと色気があり、弘子姉さんそのものだなと
思いました。
この触りたくなるようなお尻の丸み、
何ともいえない手や足の仕草など、「うまいなあ…」と思います。
布絵を作り初めた頃の弘子姉さんの作品は
「おたやん」に自分を投影して、自分の大好きな世界で
自由に暮らして楽しんでいたように思えます。
・・・『ゆうげ』・・・
・・・『小春日和』・・・
・・・『ふきつみ』・・・
・・・『あから』・・・
・・・『太刀魚』
・・・『とびうお』・・・
・・・『芽の出たさつまいも』・・・
・・・『お彼岸』・・・
![](https://textile-tree.com/wp-content/uploads/2011/05/RIMG0273-600x800.jpg)
・・・上の作品のお地蔵さんはきっと瑞林寺のこの
お地蔵さんだとおもいます。ずっと変わらぬ赤いお帽子です・・・
この瑞林寺には少しお話しがあります。
じつは「さだまさし」さんのお父さん(雅人さん)が、
かつて中国から引き揚げてきた幼少の時期
このお寺の離れで暮らしていたことがあるのです。
「さだまさし」さんは、小説の取材のために早瀬を訪れ
近くに住んでいた弘子姉さんの家にも立ち寄り
色々話しを伺っていったそうです。
既に以前住んでいた家や、象徴的だった桜の木はありませんが
弘子姉さんは記憶を辿り、心を込めて作品に仕上げました。
・・・『サクラサクラ』:幼少期の雅人さんとお母さんの姿を
想像し、作品に仕上げました。当時住んでいた家や、お寺の白壁、
サクラの木などが蘇り、幸せな時間が縫い込まれています。
写真が小さくて少し残念ですが…・・・
![](https://textile-tree.com/wp-content/uploads/2011/05/a387af54d69ff801baa9a58fef3f3603-1067x800.jpg)
・・・まだ石垣が残っている瑞林寺・・・
写真の精度が余り良くありませんが
弘子姉さんの世界は伝わると思いますので
3回シリーズでアップしていきますのでご覧ください。
布絵は「布の魅力」と「絵の魅力」両方を楽しめるアートです。
直接作品を写した写真ではないので
ディテールまでお見せできないのが本当に残念です。
弘子姉さんの作品は細部に手を抜かないので
何度見ても新しい発見があり、飽きることがありません。
機会がありましたらぜひ、生の作品を見て頂きたいものです。