編集長ブログ

ふるさと秋田への旅(秋田・早口・大館)Vol.3

3日目は、秋田市中通にある工芸ギャラリー「小松クラフトスペース」の店主で、秋田の郷土史研究家の小松和彦さんをChioさんと一緒に尋ねました。小松さんは、秋田に伝わる人形道祖神の研究をされており、『村を守る不思議な神様』の出版を記念してのトークイベントが2019年に代官山蔦屋で開催されました。たまたまそのことを知り、イベントに参加したのが小松さんとの出会いでした。

小松さんは秋田の遊郭の研究もされています。

いつか秋田に行った時に店を尋ねたいと思っていたので、連絡を取りお会いすることができました。「小松クラフトスペース」は元々はお祖父さんが起業した「小松呉服店」で、小松和彦さんは3代目。現在はアジア、アフリカを中心にした美術工芸品の収集や商品企画、販売などを手掛けているようです。お店にはお母さん、お父さんもおられ、このお二人がまた魅力的な方なのです。

なかなか内容が濃い小松クラフトスペースさんのHP
https://www.komatsucraft.com/index.html

お父さんの小松正雄さんは、青森の民俗学者・民具研究家の田中忠三郎氏の友人で、家族ぐるみで親しくしていたといいます。普段ではなかなか伺えない田中忠三郎氏のユニークなエピソードをお母さんの小松美紀子さんがたくさん話してくださいました。

田中三郎氏の『物には心がある。』は本当に素晴らしい本です!

私が田中忠三郎氏を知ったのは、2013年に浅草のアミューズミュージアムで見た「BORO」の常設展がきっかけです。青森県下北半島出身の田中忠三郎が、山村・漁村・農村から40年に渡り収集した「ぼろ」と呼ばれる継ぎ接ぎだらけの衣類や布類の展覧会です。BOROそのものから伝わる魂の壮絶さはもちろん、アート感のある展示もクォリティが高く、本当に素晴らしい展覧会でした。何度も伺いたいと思っておりましたが、とても残念なことにアミューズミュージアムは、2019年に閉館してしまいました。その時に購入した田中忠三郎氏の収集人生を綴った『物には心がある。』も名著で、私は帰りの電車で読みながら涙を堪えることができませんでした。熱い感動がをくれた田中忠三郎氏を『つなぐ通信』でぜひインタビューしたいと思ったのですが、2013年にお亡くなりになっていたことを知り、、、そういう経緯もあったので、田中忠三郎氏のリアルなお人柄の話は、本当に興味深く、面白く、引き込まれてしまいました。

また、小松和彦さんの人形堂祖神の師匠は民俗学の神野善治先生と教えていただいたのも、不思議なご縁でした。神野先生は、福井県若狭町の「三方石観世音(みかたいしかんぜおん)」を調べるために、地元の歴史や宗教に詳しい早瀬に住んでいる純造兄さんを尋ねてきたそうです。神野先生のお嬢さんの神野知恵さんは日韓の民族芸能の研究者。現在は岩手大学の准教授で、ご自分でも韓国芸能を演じたり、伊勢大神楽と一緒に地域を回り、弘子姉さんや純造兄さんの家にも伺っています。小松和彦さんともとても親しいようです。神野先生父娘の話を純造兄さんから聞いていたので、福井と秋田のご縁がつながったことも、とても不思議な思いがしました。

小松和彦さんや、お母さんの美紀子さんの話がとても面白く、帰ってから「小松クラフトスペース」の店内の写真やご家族の写真を1枚も撮っていないことに気がつきました!!それだけ、話に引き込まれていたのかもしれません。

この日は、Chioさんが、秋田市民市場にあるナポリピッツァ専門店に連れて行ってくれました。カウンターだけの小さな店ですが、シェフはナポリピッツァ職人世界選手権日本大会ピッツァナポレターナS.T.G.部門の優勝者。まさか秋田で本場のピッツアが食べれるとは!!

そのあと、Chioさんのニット作品を販売しているセレクトショップ「みきょう/MIKYO」に伺いました。なかなかセンスのいいお店で、2階はとてもモダンなカフェ。天井が高く、ギリシア風の白い漆喰壁のような曲線が贅沢な空間を醸し出していました。秋田も人口減少で、店舗の営業もかなり厳しいようですが、東京でもなかなかお目にかかれないような素敵なお店が頑張っているのは嬉しいことです。

こちらも写真を1枚も撮っていなかったので、、、こちらの記事をご覧ください。https://akita.keizai.biz/headline/3953/

秋田市内をもっと見たかったのですが、夕方の飛行機で東京に戻る予定でしたので、またの機会を楽しみにしたいと思います。

こんなところにナマハゲが!
クリスマスイルミネーションの秋田駅前

お世話になったChioさん、楽しい出会いになった皆さん、本当にありがとうございました。おかげで長い間疎遠になっていた秋田が、急に身近になりました。もっと深めていきたいので、これからもよろしくお願いします。


Textile-Tree/成田典子