今年の年賀状の作品『たこ』のこと
今年も青空の美しい元旦を迎えました。
2025年のTextile-Treeの年賀状は、弘子姉さんの『たこ』です。
弘子姉さんの布絵作品にはたくさんの海の幸があります。足をバタつかせて暴れる様子を描いた、なんともユーモラスなタコで、私の大好きな作品のひとつです。
弘子姉さんの地元の、福井県美浜町早瀬では、お正月やおめでたい時に、地元で「青和え(あおえ)」と呼んでいる、青色のタコの和物(あえもの)をお膳につけるといいます、豆腐、ごま、しそをとことん摺って、お砂糖を入れ、タコとこんにゃくと、青色着色料を入れて和えた独特のものです。おめでたいといえば赤を連想するのですが、なんで青なんでしょうね・・・
タコの布は、夫の叔母さんが着ていた銘仙の着物。地布はセイロに使用していた古い敷布です。布使いが巧みで、まるで絵に描いたような、いや絵よりもリアルな生き生きとしたタコが現れています。いつ見ても弘子姉さんの布絵はすごいなあと思います。
昨年の12月は、狂気のような忙しい日々が続き、皆様のもとに元旦に年賀状のお届けは間に合いませんでした。おそらく3日以降に届くと思います。決して年賀状じまいではありません。そういう忙しい中で素晴らしい富士山を拝むことができました。富士山を見下ろすなんでそうあることではありません。12月22日に長崎に向かう飛行機から見た富士山です。
それにしても年賀状が絶滅危惧種になっているのは寂しい限りです。毎年、年賀状を書くたびに、親戚や友人、仕事でご縁がつながった方達を思います。年に一度のご挨拶ですが、これがなくなったら、どんどん関係が希薄になるような気がして、毎年出し続けています。
タコはすごい縁起物です。その容姿や習性から 末広がり、幸運をくっつける、苦難を煙に巻くなど、縁起ワードいろいろです。
今年も“多幸”ありますように!
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
Textile-Tree/成田典子