編集長ブログ

布絵作家・渡辺弘子の“美しい暮らし”

福井県の美浜町(若狭地方)で
地元の古き良き漁師町の暮らし、
今も続いている祭りや神事などの伝統行事をテーマに
「布絵」を作り続けている作家がいます。
渡辺弘子といいます。
私の義姉です。
6人姉弟の一番上なので、
みんなは「姉ちゃん」と呼んでいますが
ここでは「弘子姉さん」と呼ばせてもらいます。
以前より紹介しようと思っていた
弘子姉さんのことをお話しします。

・・・渡辺弘子『熊川宿』部分・・・

私の主人の実家は美浜町の早瀬というところです。
少し先にはNHK朝ドラの『ちりとてちん』で
有名になった小浜があります。
若狭湾にある、まるで“箱庭”のような、
のどかで穏やかな土地で、
時々テレビの旅番組でも取り上げられる
素朴な趣が今なお残る漁師町です。
つい最近まで小さな市場があり
毎日魚が水揚げされていました。
今は敦賀の市場に吸収されてしまい
地元の方は大変残念な思いをしています。

・・・早瀬は小道が多く趣のあるとろです・・・

・・・実家のお墓のある瑞林寺。お地蔵さんはいつもきれいなお花
が飾られ大切にされています。昨年大風で釣り鐘堂が壊れ
檀家さんが今修復に一生懸命です・・・

実家のすぐ近くに弘子姉さんは住んでいます。
弘子姉さんは生まれ育ったこの土地が大好きで
地元の祭りや行事をとても大切にしています。
早瀬は仏事や祭りに大変厚い土地で
ご主人の「純造兄さん」と一緒に
年々人口減少で維持が大変になっている地元の行事を
何とか残そうと、本当に良く頑張っています。
布絵もそういう自分の思いを綴ったものです。

・・・弘子姉さんの家の玄関に置かれている招き猫。
番傘に書かれている「長四郎」は屋号です・・・

・・・「長四郎」は昔、魚屋さんでした。
家の中には当時の珍しい籠や「魚通い帳」などが
さりげなく置かれており、何度来ても飽きることがありません・・・

5月の連休が終わった頃に義母の3回忌で帰りましたが、
あらためて弘子姉さんの大切にしている「暮らしの美しさ」に
触れたような気がしました。
早瀬は自然の美しさもさることながら、
「暮らしの美しさ」があるとこです。
とくに弘子姉さんの大切にしている暮らしは
昔ながらのいいもの、捨てられない思いの詰まっているものを
大切にしていく暮らしです。
家族を愛し、先祖を愛し、故郷を愛する暮らしです。

・・・昭和天皇と皇后のお写真もありました。
昔はどこの家でも天皇陛下のお写真がありましたね・・・


・・・昭和にタイムスリップしたようなアイテムがいっぱい!
みんな普通にいまも暮らしに活用しているものです・・・


・・・「階段タンス」です。これで2階に上がっていきます。
2階は弘子姉さんのアトリエ兼「秘密の小部屋」で
私もまだ見たことがありません・・・

・・・これも弘子姉さんの作品で「干し柿」です。
和更紗や絣、柿渋で染めた布なとが使われているようです・・・


・・・弘子姉さんと純造兄さんです。
この日はみんなに鯛と鰆のしゃぶしゃぶをごちそうしてくれました。
本当に美味しかった!!!・・・

弘子姉さんの布絵の作品は、日々の暮らし、弘子姉さんの人柄
それがそのままあらわれている、
なんのてらいも無い、とても素直な素晴らしい作品です。

前置きが長くなりましたが
「渡辺弘子の布絵」を紹介する前に伝えたかったことです。
作品のことは、次回お話しします。