『テキスタイル用語辞典の』執筆で
「レジメンタル・ストライプregimental stripe」
のことを調べていたら
もとは「英国連隊旗」の配色に
由来していることを知りました。
「レジメントregiment」とは
「連隊」という意味だったのです。
英国陸軍(ブリティッシュ・アーミー)
英国空軍(ロイヤル・エアフォース)
英国海軍(ロイヤル・ネイビー)など、所属する軍により
レジメンタル・タイの配色が違います。
ジェントルマンの「クラブ」や名門校でも
各々独自のレジメンタル・タイが用いられます。
レジメンタルのことはまた改めて
『素材の話』に書こうかと思いますが
今回のロイヤルウエディングの
ウィリアム王子の制服が気になり調べてみました。
![](https://textile-tree.com/wp-content/uploads/2011/05/5516eef946ea5664be789c62600f3bcf-1.jpg)
ウィリアム王子の赤の制服は、
英国陸軍近衛部隊の連隊のひとつである
アイルランドの近衛師団
「アイリッシュ・ガースIrish Guards」のものです。
このたびの結婚のためにエリザベス女王から
アイリッシュ・ガース近衛歩兵連隊の大佐に
任命されていたそうです。
赤い制服が近衛歩兵師団のカラーですが
アイリッシュ・ガースは衿にアイルランドの国花である
シャムロック(三つ葉のクローバー)が刺繍されているのが特徴です。
キャサリン妃のウエディングドレスのレースは、
アイルランドの伝統的な「カリクマクロス・レース」であり
このシャムロックのモチーフも縫い取られています。
ヘンリー王子の濃紺の制服は
王室騎馬連隊「ブルーズ・アンド・ロイヤルズ」のものです。
英国はレジメンタル・タイや、
ウィリアム王子の軍服に象徴されるように
大切な場面では、自分が帰属する集団の制服を身につけます。
軍服を着た男性は本当にカッコ良く、女性やゲイ(?)にも
人気の高いものがありますが
「学校」「クラブ」「軍隊」などを誇りとする文化の良さを
改めて教えてもらった様な気がしました。
ちなみに、日本の場合は「家紋」が
ある意味ではそれにあたるのでしょうか。
少なくても「日の丸」は、誇りにしたいものです。
【Textile-Tree/成田典子】