素材の話

制服の魅力と誇り「ウィリアム王子の軍服」

『テキスタイル用語辞典の』執筆で
「レジメンタル・ストライプregimental stripe」
のことを調べていたら
もとは「英国連隊旗」の配色に
由来していることを知りました。

「レジメントregiment」とは
「連隊」という意味だったのです。
英国陸軍(ブリティッシュ・アーミー)
英国空軍(ロイヤル・エアフォース)
英国海軍(ロイヤル・ネイビー)など、所属する軍により
レジメンタル・タイの配色が違います。
ジェントルマンの「クラブ」や名門校でも
各々独自のレジメンタル・タイが用いられます。
レジメンタルのことはまた改めて
素材の話』に書こうかと思いますが
今回のロイヤルウエディングの
ウィリアム王子の制服が気になり調べてみました。

ウィリアム王子の赤の制服は、
英国陸軍近衛部隊の連隊のひとつである
アイルランドの近衛師団
「アイリッシュ・ガースIrish Guards」のものです。
このたびの結婚のためにエリザベス女王から
アイリッシュ・ガース近衛歩兵連隊の大佐に
任命されていたそうです。
赤い制服が近衛歩兵師団のカラーですが
アイリッシュ・ガースは衿にアイルランドの国花である
シャムロック(三つ葉のクローバー)が刺繍されているのが特徴です。

キャサリン妃のウエディングドレスのレースは、
アイルランドの伝統的な「カリクマクロス・レース」であり
このシャムロックのモチーフも縫い取られています。
ヘンリー王子の濃紺の制服は
王室騎馬連隊「ブルーズ・アンド・ロイヤルズ」のものです。

英国はレジメンタル・タイや、
ウィリアム王子の軍服に象徴されるように
大切な場面では、自分が帰属する集団の制服を身につけます。
軍服を着た男性は本当にカッコ良く、女性やゲイ(?)にも
人気の高いものがありますが
「学校」「クラブ」「軍隊」などを誇りとする文化の良さを
改めて教えてもらった様な気がしました。
ちなみに、日本の場合は「家紋」が
ある意味ではそれにあたるのでしょうか。
少なくても「日の丸」は、誇りにしたいものです。

【Textile-Tree/成田典子】