近江の麻の老舗「林与」さんは
近江上布(おうみじょうふ)の機元として明治に創業しました。
「上布」とは上質なラミーで織った高級な薄手麻織物で
江戸幕府への「上納布、献上布」とされたものです。
近江上布は非常に高度な織り方の絣柄(かすりがら)が特徴です。
通常の近江上布が紺地に幾何学模様をあしらったものが多いのに対し
林与さんの近江上布は華やかな大柄など「ハイカラ」な色使いに
特色があるそうです。
林与さんの倉庫には50年以上前に織られていた近江上布の見本が
なんと数千枚から1万枚ほど確認されました。
「すべてが本麻で、熟練した織り子さんが
一本一本を左右に振って織る手織り絣柄なので
柄として奇麗なだけではなく、そのひとつひとつの味わいと
気の遠くなるような手間は、見ると本当に感動します。
産地でも林与が近江上布の織元として名高かった訳ですが
残念ながら今は林与では生産はできません。」
「こういうものが数千点何種類も倉庫に眠っていたというのは
私自身も信じる事のできない発見です。
博物館でもこれほどの数は難しいと思います。」
「普通はハギレなので消えてしまったり
欲しい誰かの手に移っていくものなのですが
作ることの難しさを一番知っている林与の代々が
自分の手元に大事に残しておりました。
今見ても斬新さがある、素晴らしいものです。」
林与さんの林社長の言葉からは近江上布への深い思い
代々への尊敬の念、感動が伝わってきます。
林与さんの近江上布がたくさん載っているHPです。
こちらもぜひご覧下さい。
http://www.hayashiyo.com/page/4
明日から、近江の林与さんや京都に取材に行きますので
本物に触れられると思うと、わくわくします。