『Premium Textile Japan(PTJ)』2014春夏展に出展した
近江の麻の老舗(株)林与の「看板」についてお話しします。
明治30年創業の林与は、展示会ではいつもブースの正面に
「林与」の伝統のロゴをパッチワークで縫い取った
麻布の看板を掲げます。
お手製のこの看板は、林与のトレードマークとなっていますが、
実は昨年10月の『インターテキスタイル上海』の時に
紛失してしまったようなのです。
![](https://textile-tree.com/wp-content/uploads/2013/05/DSC_00344-1200x798.jpg)
・・・・PTJでは新しい「林与看板」が掲げられました・・・・
林社長は今回のPTJの展示会に間に合わせようと、
忙しい合間を縫って一人で作業を続け
展示会初日の5月8日に、会場の東京国際フォーラムに到着してから
「林与」のマークに縫い取った部分をカットする
最後の作業を行ったといいます。
この「林与看板」制作のことは、
林社長の人気ブログ「リネン日記」で知ったので
どんな風に仕上がっているのかを見るのも
楽しみのひとつでした。
![](https://textile-tree.com/wp-content/uploads/2013/05/DSC_0045-510x766.jpg)
・・・・表地と裏地を重ねて縫い、最後にロゴの部分を切り取ります・・・・
初代の「林与看板」は、味わいのあるパッチワークでしたが
今回のものは、表地と裏地を重ねて仮縫いし、次にロゴの形を縫い、
最後にロゴの部分を切り取ります
裏地は倉庫に眠っていた40年前の紺の後染めリネンを、
表地は定番の生成りのソフトリネンを使用したといいます。
40年前のリネンは、フィブリル化(摩擦で毛羽立ちささくれる現象)し、
ふっくらといい感じになっています。
しかもシワになりにくいという特徴があります。
こういう麻布は、作ろうと思っても
なかなか作れるものではなく、
昔の糸や織りの優れた技術、年月を経た麻独特のもののようです。
・・・紺のリネンは40年前のもの。フィブリル化していい感じが出ています・・・・・
・・・・昨年のPTJの林与のブースに掲げられていた初代「林与看板」。
このときは『テキスタイル用語辞典』を販売させて頂きました・・・・
![](http://www.textile-tree.com/tex/wp-content/uploads/RIMG02992-450x337.jpg)
・・・・初代「林与看板」は、正方形のパッチワークで作った力作です・・・・
林社長は、昔のリネンを研究しながら
どうしたら現代にこのようないいものを作ることができるか…
しかも今のビジネスとして成り立つものを試行錯誤しています。
新しい試みも着々と進んでいます。
その話しは次回お伝えします。