今年の年賀状の作品『北前船』のこと

今年も青空の美しい元旦を迎えました。
2026年のTextile-Treeの年賀状は、弘子姉さんの『北前船』です。江戸から明治にかけて、各港で積荷の売買をしながら利益を上げる「買積み廻船」が活躍し、蝦夷地(北海道)から大阪を結ぶ日本海廻り(西廻り)の買積み廻船は「北前船」と呼ばれました。北前船は、豪商船主を生み、日本海沿岸の寄港地に繁栄をもたらし、文化の花を咲かせました
船主集落として繁栄した早瀬
美浜町が日本遺産に認定【北前船寄港地・船主集落】
福井県では、三国、敦賀、小浜が主な寄港地でしたが、美浜町の早瀬、久々子、坂尻、丹生からも多くの北前船が出航しています。特に早瀬は多くの船主が住み、北前船の寄港地として繁栄を誇り、料亭も多く、芸能や神事も盛んでした。現在も受け継がれている日吉神社の立派な神輿や子供歌舞伎の曳山も当時を物語るものです。弘子姉さんの高祖父も江戸時代に小廻船業を営んでおり「船往来(ふなおうらい):通行手形」などが残されています。
美浜町は、平成29年(2017)に文化庁が認定した日本遺産「荒波を越えた男たちの夢が紡いだ異空間~北前船寄港地・船主集落~」に追加認定されました (2024年6月21日認定)

⬆️2024年『広報みはま』8月号で北前船の特集8Pが組まれています!


⬆️子供歌舞伎と曳山

⬆️日吉神社の神輿

⬆️日本遺産認定書(複製)

⬆️渡辺弘子の高祖父が使用した通行手形の船往来


⬆️美浜町早瀬の町並み
アイヌの伝統織物『厚司(アッシ)』に綴られた北前船のこと
アッシ(厚司)は、アイヌの民族衣装、または樹皮繊維で織ったアイヌの伝統織物のことをいいます。衣装の背、袖口、裾には「切伏(きりふせ)」という魔除けのアップリケや刺繍を施してあります。この厚司は、近所の旧家からいただいたものです。おそらく北前船が寄港したときに持ち込まれたものと思われます。
弘子姉さんはすぐに北前船が浮かび、厚司の痛んでいる部分に北前船の布絵を施しました。船体は柿渋の酒袋、波の部分は藍染を抜染(ばっせん)した手織りの布です。
実は、この藍染は、秋田にいる私の母が贈ったものでした。弘子姉さんは、北海道、秋田、福井とつなぐ北前船のご縁を感じ、作品にとり入れたといいます。弘子姉さんの作品に使用されている布やモチーフにはすべて、意味のある物語が綴られており、それを聞いたときにより感動が高まります。


北前船は、各寄港地で積荷の売買をしながら約1年かけて往復していました。寄港地ごとに倍々の利益をあげ「千石船(せんごくぶね)、一航海で千両稼ぐ」とも言われました。
現在の約1億円に値する金額で、まさに「宝船」に見えてきます。
今年も幸多き年でありますように!
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
Textile-Tree/成田典子















