素材の話

「近江織物(株)」1856年創業の信頼と開拓精神

2013 S/Sプレミアム・テキスタイルジャパン(PTJ)」でご縁があった
素材メーカーをご紹介します。

滋賀県の近江織物(株)は創業1856年。
江戸時代に家業として麻織物を織りはじめ、
現在では、織物の企画、織布から仕上げ加工、縫製までをトータルに行う
県内でも有数の繊維メーカーに成長。
天然繊維、化合繊の短繊維の織物を中心に
様々な繊維を製織する「織布部門」、
仕上げ加工の「加工部門」、
繊維商社として活動している「営業部門」を揃えています。


今回のPTJでは、新しく立ち上げた「プリント部門」に展示を絞り
原糸、製織からプリントまで自社一貫生産で行う
無公害型のエコプリントシステムの
インクジェット奈染生地製造販売をアピールしていました。
スピーディでタイムリーな対応ができるのも特徴です。
また、他社にはない独自のインクジェットプリントシステムの
構築として下記の3つが提案されています。


(1)【連動プリント】
同じデータでプリント・先染め・ジャカードを表現できます。
デジタル対応ならではの技術です。


・・・・左はジャカード、右はプリント。一見、見分けがつきません・・・・


・・・・左はプリント、右はジャカード・・・・


(2)【立体プリント】
インクジェットプリントでは、キルティングやしわ加工など
凹凸感があるリアルな「だまし絵(トロンプ・ルイユ)」の
表現ができます。


・・・・キルティングプリントと本物のキルティングを併用したもの。わかるかな?・・・・


・・・・しわ加工のプリント・・・・


(3)【型紙プリント】
型紙に合わせた自由なプリントができ
裁断してそのまま縫製ができるため
個性的な製品作りが可能です。


・・・・型紙通りにそのままプリントしています・・・・

・・・・そのまま裁断して縫うとこんな感じに!・・・

近江織物(株)の営業部参事の林さんは、
日本の綿紡績が海外生産へと移り
国内生産能力がほとんどないことを憂いていました。
そういう中でも近江織物(株)は整理加工を得意とし
海外で織られた綿生地などを、優れた加工技術を持つ日本で
仕上げ加工することも多いと話していました。

今回の展示会にもオーガンジー加工した
綿100%の平織りを展示していました。
現在ではオーガンジーはシルクや合繊のイメージがありますが
もともとは綿織物です。
細番手の強撚糸で織り上げたあと、酸で溶かして
透明感と張り感のある、かたい手触りにし上げます。
洗っても風合いはあまり変わりません。

・・・・ぱりぱりとした綿100%のオーガンジーが魅力的でした・・・・


・・・・プリントを施した綿オーガンジーもあります・・・・

近江織物(株)では、綿ローンのような薄地から
アラミド繊維(スーパー繊維と呼ばれる高強度なナイロンの一種)を
使用したユニフォームなどの機能性生地、
産業資材の厚地までの幅広いアイテムをカバー。
自社の総合力を活かし、さらに他社にはない付加価値をもつ
製品開発などを常に行いながら、1856年の創業以来
前を見て歩み続けています。
社訓の「共存共栄」の精神が、こうして長く続いている所以なのでしょう。

【Textile-Tree/成田典子】