素材の話

旧式の織機をカスタマイズして織り上げた、超マニアックなストール『ITO』!

愛媛県今治市の「工房織座」のストールブランド『ITO(イト)』は、
テキスタイル好きなら、そのこだわりを
いつまでも聞いていたくなるような
独創的な織りで魅了します。
巻き方でテキスタイル変化やストールの様々な形が楽しめる、
ストールならではの魅力な織りなのです。

代表の武田正利さんは織り職人でもあり、
廃棄同様の旧式織機を全国から集め、
部品も自ら作りながら修理して改良を重ね
独自の織機にカスタマイズ。
昔の織機だからこそ織り上げられる
独創的な織りや風合いのストールを作り上げました。

工房織座」ではグッドデザイン賞、アジアデザイン賞など
世界の様々な賞を受賞している独創的な織りが
生み出されています!

上の写真は「昼夜織り(ちゅうやおり)」というもので、
裏表が反対の配色の柄が現われるもの。
ブルー面の裏側はピンクなのでリバーシブルで楽しめます。
しかもブルーからピンクのグラデーションになっているのが凄い!

こちらは麻とシルクの昼夜織り。
前述の綿と麻の昼夜織りよりも光沢があり
玉虫効果がはっきり出ています。
素材が変わると見え方も随分違います。

一見、モノトーンの普通のストールに見えますが
右端は「たてよこよろけもじり織り」という織り方。
「よろけ」というひょうたんのような波柄が現われる
「もじり織り」のストールで、
下のブルーのストールと同じ織りです。
「もじり織り」は透け感がありますが
タテヨコの糸がしっかり絡まっているので
糸がずれることなく丈夫な織りです。

上のボーダー柄は、よく見ると左右の幅が違います。
普通このようなボーダーはまず作ることはできません。
「傾斜もじり織り」という独創的な織りで
傾斜を変えた独自に開発した筬を使用することで
イレギュラーな幅のボーダーとなるそうです。

ボーダーの左のストールは「筒織り」にしたもので
輪になっているので、すっぽり被ることができます。
色を変え四重につながっているものもあります。

上のストールは何枚ものストールを並べているように見えますが
色違いの4枚のストールが一辺でつながっている
「四重平織り」という不思議な織りです。
4枚の布が重なったように織る「四重織り」の一種で
巻き方により様々な色を楽しめます。

(JFW-IFF「大日本市」にて)

【Textile-Tree/成田典子】