素材の話

「PTJ 2012」敦賀繊維(株)

5月11・12日開催された「Premium Textile Japan2012(以後PTJ)」リポートです。

敦賀繊維株式会社

敦賀繊維は「エンブロイダリーレース」の会社です。
『テキスタイル用語辞典』執筆でレースのことを色々調べて
エンブロイダリーレース機が
幅広いレースを作ることができるのに驚きました。
ケミカルレース、チュールレース、穴開き刺繍のボーラーレース
生地全面に刺繍やレース加工をしたオールオーバーレースなど
大概のレースはエンブロイダリーレース機で作ることができるのです。


敦賀繊維の小室社長さんのお話しによると
エンブロイダリーレースの業界は
7割がインナーレース、2割は細幅レース、
残り1割が服地と産業用資材なのだそうです。
敦賀繊維はその数少ない服地を作っているメーカー。
社長を含めた7人のスタッフは全て企画ができ
営業専用の人はいないということです。
自社で糸を持ち、全て自社工場で作れるのが強み。
8割は別注で、自社の「企画力」を大切にした
ものづくりをしているとのこと。

またエンブロイダリーレース機は
高速機が当たり前になっている時代に
敦賀繊維は低速機に改良してレースを作ってると聞き驚きました。
低速機にすることで、細番手の糸や、番手違いや意匠糸ミックスなど
様々な糸使いが安定していくのだそうです。

ちょっとクラシックやアンティークのテイストを醸し出せるのも
こういう低速機ならではのものなのでしょう。
いいものづくりをしているところは
「低速機」を使っているところが多いことを感じます。