「(株)パノコトレーディング」のオーガニックコットン哲学

2013 S/Sプレミアム・テキスタイルジャパン(PTJ)」でご縁があった
素材メーカーをご紹介します。

(株)パノコトレーディングは、
オーガニックコットンの原糸の輸入・販売をはじめ
生地の企画・製造・販売を行っている会社です。
「オーガニックコットンは、日本ではアトピーの方にも安心とか
使う側のメリットに目を向けられがちですが
実は生産者の貧困や不平等、健康への危害をなくす
大きな役割を担っているのですよ」と、
オーガニック事業部の長尾さんが熱く語ってくれました。

・・・インドのオーガニックコットンの作業風景・・・


・・・PTJのブース。グレーのパーカの後ろ姿の方が長尾さん・・・・

(株)パノコトレーディングでは、世界的にも有名な
オーガニックコットン・プロジェクトの『bioRe COTTON INSIDE』
『Swiss Cotton』などとパートナーシップを組み
原料の輸入のみならず、積極的にプロジェクトに関わり
持続可能な開発パートナーとして
インド、タンザニア、ペルーなどへの支援を行っています。


・・・『bioRe COTTON INSIDE』の商標マーク・・・

『bioRe COTTON INSIDE』は、スイスのREMEI社が
インド(1991年〜)とタンザニア(1994年〜)で行っている
オーガニックコットン・プロジェクトです。
オーガニックコットンを買い取るだけではなく、
この地域の人々が自立していくために、
有機農法に関する教育の場の提供、子どもの教育支援
生産者や地域の人々の健康に関するインフラ整備など
さまざまな仕組みを構築しています。

パノコトレーディングもインドのKalakhet村の
Animation Schoolの学校建設や運営のサポートをはじめ、
文具制服、スポーツ用品などを送ったり、
タンザニアのMwanyahima村には井戸を寄付しています。


・・・『Swiss Cotton』の商標マーク・・・

『Swiss Cotton』はスイスで紡績された糸のみに与えられる名称です。
『Swiss Cotton Organic』は、アメリカ産のスーピマ綿を使用し、
スイスで紡績したオーガニックコットンで、
シルクのような光沢感と滑らかな肌触りを持つ
最高品質のオーガニックコットンとして知られています。
パノコトレーディングでは、スイスのHermann Buhler社より
オーガニックコットンを輸入し、主に60/1、90/1の
細番手の糸を用いた生地を企画。
今回のPTJにも高密度なラグジュアリーコットンを提案していました。

ペルーからは、オーガニックコットンの世界的な先駆け企業でもある
『Bergman Rivera SAC』とパートナーを組み
オーガニックコットン・プロジェクトの『SACHAGREEN PROJECT』に参加。
生成り綿(WHITE COTTON)と
綿の原種とも言われる貴重な茶綿(WILD COTTON)を輸入しています。
生産量が減少している茶綿はペルーの生産者と契約栽培を行うことで
生産維持を図っています。

今回のPTJで、パノコトレーディングは
“素朴さ”“ナチュラル感”だけのイメージに偏りがちなオーガニックコットンを
新しいイメージで打ち出そうと4つの企画を提案しました。

【1】「ラグジュアリー」企画
90/1の極細のオーガニックコットンを使用した
高密度なラグジュアリーコットン企画。
シルキーな光沢のあるサテンやタイプライタークロスが提案されています。

・・・90/1の高密度サテン。品のいい光沢です・・・


・・・90/1の高密度のタイプライタークロス・・・

【2】「草木染め」企画
ブースで一際目を引いた鮮やかな色は、
草木染めのオーガニックコットンです。
草木染めでこのような鮮やかな色が出せるのかと驚きましたが
京都の染屋さんが2年がかりで開発したそうです。
草木染めの先染めチェックは、
山梨県の富士吉田のメーカーとコラボしました。
欧米では、オーガニックコットンを化学染料で染めることが
一般的になっているようですが、
パノコトレーディングでは草木染めで鮮やかさを表現しました。
とても新鮮でした。


・・・鮮やかな草木染めのオーガニックコットン・・

【3】「高野口パイル」企画
和歌山県の高野口はパイル織りの産地でもあり、
ベルベット、電車の椅子張りに使われるモケット、
国会議事堂にあるような高級椅子張りの
金華山織り(きんかざんおり)など
さまざまなパイル織りが織られています。
この高野口産地とコラボしたのが
こちらのモコモコ、フワフワしたパイル織りです。


・・・「チンチラ」と名付けられたオーガニックコットン・・・


・・・裏表に毛羽のある気持ちいいパイル・・・


・・・ポンキッキから名付けられた「ムック」・・・

モップのように毛足の長いものから、
リバーシブルになっているものなどバリエーションも豊富。
「チンチラ」、子供番組『ひらけ!ポンキッキ』の
毛むくじゃらのキャラクターの名からとったという「ムック」など
素材にはユニークな名前が付けられています。

【4】「刺繍」企画
刺繍を施した装飾的なオーガニックコットン。
ガーゼのラフ感と可憐な刺繍が優しさを増しています。


すでに「オーガニック=ブランド付加価値」ではなく
オーガニックコットンの新しい表現の時代に突入してきています。
既成概念を打ち破り、しかし本質は変えないもの作りの
パノコトレーディングに、多いに期待が高まります。