素材の話

「rooms25」Vol.4-熱い!女性オーナーブランド『Michele and Wright』

たくさんのブランドが出展する合同展示会では、
「パッと目を惹く」「熱意」が
お客様の気持ちを捕らえる大きな要素になります。
あれもこれもと展示しているブランドよりも
“ここぞ!”と絞り込んだ商品を打ち出しているところや
インパクトあるディスプレイに引き込まれます。
そして、担当者やオーナーの熱意あるアプローチに
気持ちを動かされることが多いものです(特に私の場合は)。
rooms25」の取材で出会ったインパクトのある“パワルルブランド”は
ほとんどが“女性オーナー”だったのも、納得でした。

 rooms取材で一番エネルギーに溢れていたのは、
Michele and Wright』の岩村礼子(のりこ)さんかもしれません
積極的にバイヤーやプレスに声をかけているのも
roomsの中では異質の存在でした。


・・・・・熱いアプローチで惹き付けた『Michele and Wright』
オーナーデザイナーの岩村礼子(のりこ)さん・・・・

海外生活が長く、英語の方が得意という彼女は、
学生時代にオリジナルブランドを手掛け、アメリカの有名店などで販売。
卒業後はいくつかの国のファッション関連の外資系企業で経験を積んで、
2006年にオリジナルブランドと輸入代理業の会社を設立。
3年間で300店舗の国内販売チャネルを拡大したといいます。
『Michele and Wright』は2011年に設立したブランドです。
この若さで、かなりのやり手なのか…とても不思議な女性です。


・・・・女性らしい色合いと、シルクや綿素材の着やすいデザインが特徴・・・・

・・・・オリジナルの柄も多く、長年住んでいたスエーデンから
影響を受けたものも多いようです。
そういえば、これはマリメッコのようなモダンなイメージ・・・・


・・・・ウエアと同じテキスタイルがバッグなどにも展開。
シルクにビニールコーティングしたもの・・・・

『Michele and Wright』は、「人々を幸せにする服」でありたいといいます。
黒やグレーの色味のない服ではなく、色や柄に溢れ、ワクワクする服です。
素材もシルクや綿の天然素材にこだわり、
いい素材をリラックス感のあるデザインにすることで
女性を幸せの笑顔にしたいと、岩村礼子さんは語ります。

 デザインにはどこかに、刺繍や花モチーフなどの“手作業”を加えたり
年齢を限定せずに着られるように、
シルエットや首回りなどのディテールにも気を配っています。
痩せた方も太った方も、若い方も年配の方も
美しく見えるデザインだといいます。
サイズも、XS〜XLまでの展開という、
まさに女性に嬉しい至れり尽くせりの配慮。


・・・・ 『Michele and Wright』 の2013春夏イメージ写真・・・・


・・・・シルク素材は、中国で製織。一見ぼかしプリントのように見える
このシルク素材は、糸染めで、織りで柄をあらわしているとか。
たぶん「解し織り」ではないかと思います・・・・


・・・・スーパーブランドの生地を織っている、
ハイクォリティな工場を使用しているそうです・・・・

また、刺繍や小物などのハンドクラフトは、
ネパールの女性たちと一緒に取り組んでいます。
初めてネパールに行った時に
ネパールの女性たちの約70%が文盲であることに驚きました。
そのため、絵だけで指示書を作り、指導しながら製作。
その後、ネパールの方たちの仕事や暮らしを支援する
NPO法人Hand to Handを設立し、
ネパールに貢献でき、一緒に成長できるブランドを目指し
活動しています。


・・・・「写真撮影してもいいですか」と声をかけるやいなや、
ぜひ載せて欲しいバッグを全員手に持ち、
手前には『Michele and Wright』の看板を素早く掲げ勢揃い。。。。
そのチームワークの良さには脱帽!・・・・

今回のroomsには、3人のメンバーが参加していました。
いずれも海外生活が長い若い女性で、
英語の方が会話しやすいともいっていました。(HPも英語です)
彼女たちのパワーとチーム力は、roomsの中でも光っています。
どちらかというと、もの静かなタイプが多い日本のクリエーターとは正反対。
自分たちのことをわかってもらおうとする“なりふり構わないひた向きさ”に
応援しようと思った人も多いはず。
もの作りも、営業の仕方も、従来の日本の若者とは違うものを感じました。


・・・・「あれもこれも見て欲しい!」という彼女たちの気持ちが
伝わってくるようです。びっしりハンガーに!・・・・


・・・・展示会ブースの中央に置いているアンティークミシンは
北欧から取り寄せたものとか。装飾の素敵なミシンに釘付け!・・・・

トレンドの取り入れ方が非常に上手な日本のマーケットの中で、
『Michele and Wright』に見るような、
トレンドを重視したり、年齢ターゲットを定めたり、
効率を重視した価格MDとは違う、
社会貢献や独自のコンセプトで「自分たちの理想をひた向きに追求する」
新しいタイプのブランドが登場していることは、
大いに注目したいところです。