弘子姉さん×アイヌ民族の「厚司織り」

『テキスタイル用語辞典』では
たくさんの素材を集め、写真を撮って載せています。
実物写真なので、織りの拡大写真もよくわかります。
織物の写真は実物大で、ハサミで生地を切って写すので
生地の厚みや糸の太さもよくわかります。



しかし、中には貴重な生地のため
切ることはもちろん探すのさえむずかしい生地が
いくつかあります。
アイヌ民族の伝統的な樹皮衣(じゅひい)である
「厚司織り(あっしおり)」もそのひとつです。
オヒョウ、シナノキなどの樹皮の繊維を
「伊座機(いざりばた)」という、簡単な織り機で織ったもので
とても丈夫で、織り上げてから刺繍や「切伏(きりふせ)」という
アップリケを施します。





とても手に入らず、
博物館から写真をお借りしようかと思っていたら、
なんと布絵作家の弘子姉さんの元にあったのです。

弘子姉さんの住んでいる福井県の若狭湾の敦賀や小浜は
古くは「北前船(きたまえせん/きたまえぶね)」が寄港し
海産物や日常生活品が行き来していました。

以前、海運業をやっていたお家の解体をやった時に
古い「厚司」が出てきて、それを弘子姉さんが頂いたそうです。
おそらく北前船で北海道から渡ってきたものだと思います。



弘子姉さんは、真っ黒に汚れた「厚司」を
何度も何度も洗ってきれいにして
なんと、「厚司」と自分の作品をコラボしたのです。

あまりに大きくて全体を撮ることができませんが
これが弘子姉さんが「厚司」に乗せたものです。
そうです「北前船」です!
「北前船」を乗せた「厚司」がいっそう輝いて見えます!



よく見るとたくさんの素材が使われています。
船の先の方にある茶色い布は「柿渋」を塗った
お酒を絞る布ではないかと思います。
ピンクベージュのような船の色も、
おそらく柿渋で染めたものだと思います。



波の部分の布は、私の母が送ったものです。
母亡きあとも後もこうして生かされているので
本当に嬉しいです。

「厚司」と一緒に弘子姉さんは「手作りへしこ」を
送ってくれました!
これがまた絶品で、また次回ご紹介します。