素材の話

とことん使い切る、「南部裂織り」の話し(Vol.1)

岩手県の胆沢郡金ヶ崎町で創作活動をしている「コシェル」さんから
“無事”のメールを頂きました。
「通常の業務に戻るには時間がかかりそうですが
沿岸の被害を考えたら人も家も無事なので、大丈夫です。」とありました。
今回の地震は、大変なことも「大変」といえないのかもしれません。

「コシェル」さんは東京・下北沢の店を閉め岩手県に移り住み
2010年より新ブランド「コシェル2」を立ち上げたばかりです。
岩手の「張り子」や「漆」の伝統技術でバッグやアクセサリーを作る
オリジナリティのあるクリエーションに取り組んでいます。
私もその作品を初めて見た時「釘付け」になりました!


その中に「南部裂織り(なんぶさきおり)」で作ったバッグがありました。(写真左)
「南部裂織り」と「張り子」がとってもファンタジーに仕上げられています。

以前、『テキスタイル用語辞典』の執筆で「裂織り」のことを調べた時に
「布をとことん使い切る文化」を知り感動しました。
「コシェル」の澤藤さんのお父様も、以前南部裂織り工場で働いていたそうです。
「コシェル2」でも「南部裂織り」シリーズをやっていきたいと話していました。
『テキスタイル用語辞典』にも取り上げたいので
南部裂織り工房の取材をお願いしていましたが
今回の地震で少し遅くなるかもしれません。

次回は素晴らしい「裂織り」の話しを書きたいと思います。