とことん使い切る、「南部裂織り」の話し(Vol.2)

「裂織り(さきおり)」は、古布を細かく裂いて再び織り上げた「再生織物」です。
「布」が大変貴重だった時代、布を最後まで大切にしようとする
生活の知恵から生まれ、日本全国や世界のあちこちの国でも見られます。
貧しかった東北地方ではほんの端切れも大切に扱われ
「南部地方(青森県南東部と岩手県中部・北部)」では
古くから裂織りが盛んに行われていました。

・・・地機(じばた)で織られる「南部裂織り」・・・

特に寒冷地のため綿の栽培が困難だった東北地方は、「木綿」が大変貴重で
「木綿の反物」などは高価で庶民には手の届かないものでした。
江戸時代中期には「北前船(きたまえせん)」により
関西方面から「古手木綿(こてもめん):古着・古布のこと」が
大量に手に入るようになりましたが、古布とはいえ安いものではないため
大切に大切に最後の最後まで「使い切る布文化」が発達したといいます。

古手は、端切れを重ねて「刺し子」にしたり
縫い合わせて着物やこたつ布団にします。
すり切れるとまた継ぎ当てをし…(時代劇で良く見かけますね)
これもくたびれてくると、縫い目をほどいて、布を細く裂いて紐状にします。
裂いた布紐をよこ糸に、たて糸には麻糸を用いて織りあげたのが「裂織り」です。
こたつ掛け、夜着(やぎ)、仕事着、帯、前掛けなどにします。
「南部裂織り」は、赤などを効かせた、カラフルな彩りが特徴です。

・・・「コシェル2」の「南部裂織り」を使った「張り子」のバッグ。
もとの布からは想像もつかない織りが「裂織り」により表現されます。・・・

山形の庄内地方では布の補強のために「縫う・刺す」の「刺し子」技術が発展し
「庄内刺し子」と呼ばれる模様刺しが生まれました。
かつて庄内の農村部では刺し子をした「一生着られる分」の
農作業着物を用意して嫁入りをしたといいます。

裂織りにした布がくたびれると、また裂いて今度は「組み紐」にして
「背負子(しょいこ)」などを作るのに利用。
最後の最後は紐に火をつけ、煙を虫除けにし、灰は土壌改良として土に還る…

ここまで使われると「布」も本望でしょう!

それだけ昔の「布」は作り手の思いや技術が高く
丈夫で美しく「捨てられない魅力」を持っていたような気がします。
「思いが詰まった布を、長く、とことん使い切る」暮らしを
してみたいと思いました。

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