「滋賀麻工業(株)」今の時代に繋ぐ、麻の伝統技術

2013 S/Sプレミアム・テキスタイルジャパン(PTJ)」でご縁があった
素材メーカーをご紹介します。

滋賀県の湖東地域は古くから「近江麻」の地場産業が発達し
近江商人を最も多く輩出した地域でもあります。
この地に昭和19年創業した滋賀麻工業(株)
近江麻のもの作りの伝統を受け継ぎながらも
新しいニーズに対応する新しいテキスタイル開発に
取り組んできました。

・・・・『羽衣上布』と名付けられた綿/麻の薄手織物・・・・

・・・・左はリネンの花。薄紫の愛らしい花です。右はラミー畑です・・・・

今回のPTJでは、「麻の軽さ・薄さ」を表現した綿/麻の交織を提案。
近江の国 余呉湖(よごこ)に伝わる羽衣伝説をイメージに
『近江 羽衣上布(はごろもじょうふ)』とネーミングした
軽羅(けいら:紗や絽のような薄い絹織物)のような
薄手の綿/麻織物です。

「上布」とは、上質な苧麻(ちょま)…ラミーともいいます…で
織られた薄手麻織物のことです。
『羽衣上布』のネーミングの織物は、涼しげな透け感と
「手もみ加工」によるたて方向のシボが特徴。
手もみ加工は、「近江ちぢみ」に見られる伝統的な加工で
「しぼ取り板」という洗濯板のような上で手もみ作業を行います。
手もみ作業により、強い撚りをかけたたて糸の撚りが戻り
たて方向にシボが生じます。
麻の硬さを和らげ、シャリ感とシボの凹凸感で空気の層ができ
フラットな生地にくらべ、肌に接する部分が少なくなるため
清涼感のあるさらりとした肌触りとなるのです。
現在の手もみ加工は最初は手で、あとは機械で行われています。

・・・・透け感と清涼感のある手もみ加工の「羽衣上布」・・・・

以前繊維が専門の大学教授から伺った話しですが
最近人気の「機能素材」と言われているポリエステルなどの
いくつかの「吸水・速乾素材」の吸水・速乾性を実験したところ
「昔ながらの綿や麻の楊柳やサッカー」の方が
優れているという結果が出たと話しておられました。
たとえば、綿や麻の楊柳が30分で乾くところが
「吸水・速乾素材」は1時間かかったといいます。

目新しさを求めて化学の新素材に走りがちですが
もう一度、天然素材や昔ながらの伝統加工を見直すことも
重要かもしれません。