「タンゴ ファブリック マルシェ」Vol.2世界を魅了する<遊絲舎>の藤布

「ちりめんの里」で知られる、京都・丹後産地の
織物メーカー19社が、東京・代官山で産地の素材展
タンゴ ファブリック マルシェ」を開催しました。

緻密でスキのない高度なテキスタイルが多い展示会の中で
一際目を惹いたのは、節のある粗野な糸で織られたテキスタイル。
それは藤の蔓の皮で織った「藤布(ふじふ/ふじぬの)」でした。
織ったのは「遊絲舎(ゆうししゃ)」。


・・・・「藤績み(ふじうみ)」の実演も行われていました。
「藤績み」とは、藤の表皮を細かく剥いて手で績み(繋ぎ)
長い糸にしていく作業のことです。後ろにあるのが織った「藤布」・・・・

「藤布」は、縄文時代より織られていた“原糸の布”ともいわれる織りです。
藤は日本では広く分布しているため、
手軽な繊維として各地で織られていましたが
綿が栽培されるようになってから急激に衰退。
木綿の栽培が難しい山間部などにわずかに残るのみとなり、
今では丹後が「藤布」を唯一織リ続けている希少な産地となっています。


・・・・「藤布」は藤の蔓の皮(中皮)を剥ぎ、乾燥させたものを用います・・・・


・・・・「藤績み」して、長い糸状にしたもの・・・・


・・・・藤の繊維のラフ感がいっぱいの「藤布」・・・・

「遊絲舎」の前進は、明治中頃創業した
丹後ちりめんの織物メーカーでしたが
現代表である小石原将夫さんが80年代に、
日本から消滅したと思われていた藤布の存在を知り、
帯地や着物地などで現代の織物として蘇えさせました。
多くの賞も受賞し、昨年はパリで開催された『プルミエール・ビジョン』の
世界の匠工房13社を集め話題となったエリア「メゾン・デクセプション」に
招待展示されています。


・・・・父と同じ藤織りの世界に入った小石原充保(こいしはら みつやす)さん・・・・


・・・・藤の表皮を細かく剥いたもの。米ぬかを付けながら「藤績み」をします・・・・


・・・・粗野な藤の皮の「藤績み」は手が荒れるかと思いきや、
「米ぬかを付けてやるので、逆に手はとてもきれいになります」と
きれいな手を見せていただきました・・・・

現在は小石原将夫さんの息子さんの充保さんも
父の後を継ぎ、今回の展示会でも「藤績み」の
実演パフォーマンスを見せるなど、頼もしい活躍をしていました。
「遊絲舎」が織る「藤布」は、藤糸と絹糸を交織した帯地が中心ですが
和紙糸と交織したもの、ショールなど新しい試みも行われています。



・・・・絹糸との交織。生成りの部分が粗野感があらわれている藤糸・・・・

・・・・和紙糸と藤糸を交織した「藤布」・・・



・・・・シンプルでモダンな帯地・・・・

「遊絲舎」は、来年2月に行われる『プルミエール・ビジョン』にも
出展が決まっているようです。
「オンリーワン」の強みを見せ、
今後ますます注目されるメーカーになりそうです。