きもの日より

くしゃみ混じりのあをやまです。
浅草で3月初旬恒例の東京都工芸染色協同組合の東京手描友禅の展示会を見学して来ました。


東京都工芸染色協同組合の組合員からなる「染芸展」は今年で57回目。出展者のお一人である髙橋貞雄さんとは、小金井公園にある江戸東京たてもの園の友禅体験でお会いしました。(確か「キモノ日より」と言うイベント)以来10年以上、毎年展示会案内を下さいます。

実はかなりの重鎮ですが、デザインに新たな挑戦が感じられました。今までは伝統的なモチーフや桜など、日本的な図柄が多いようでしたが、今回はステンドグラスがアイディアソースだそうです。会場内は撮影禁止なので、作家さん抜きで撮れないのですが、織の凝った絹を使ったり、仕上げに日本刺繍が施されていたものもあり
デザイン、仕事内容や材料からすると、友禅は高いものではないと思います。「でもやはり簡単に手は出せない品物ですね」と言ってしまいました。髙橋さんは、若い人にはまずリサイクルきものを楽に着てほしいと言います。


⬆️髙橋貞雄さんと作品

数年前に比べ、出展者は減ったと言うことですが、展示会場では来場者のきもの姿が多く見られ、目の保養になりました。中でもパッと目を引いたのがこちらの方々。お願いして写真を撮らせて頂きました。


⬆️左の女性はイギリス人のシーラ・クリフさん。
きもの研究がご専門で昨年の秋に写真集を出されたそうです。とにかく色使いが綺麗と言うか楽しいと言うか。圧巻です。


⬆️そして友禅作家の田邊慶子さんとドイツ人のベアーさん。
お二人の足元は靴ですが違和感ないですね。田邊さんの作品を拝見した時は西洋の人に合いそうだと思いました。お友達を見て妙に納得⁉︎大柄の地紋に繊細に色が挿されてます。

同日午後は深井晃子さんの講演を聴講しました。「きものとジャポニスム」、非常~に興味深い内容です。深井さんが研究を始められた頃、ジャポニスム研究においてきものには焦点が当てられていなかったそうですが、現代服の確立にヨーロッパで起きたジャポニスムが大きく関わったことを調査、実証されました。きものに影響を受けたポワレやヴィオネがコルセットを外した服を作った衝撃的な変革は今や服装史の常識と言えるでしょう。

ちなみに、この日の深井さんはコムデギャルソンと、あの高橋真琴のイラストがコラボしたワンピース。お目々キラキラ、金色巻毛の見覚えある少女。後ろ姿も同イラストで、ちょうどヒップに口元が。後ろ姿にドキ!ある意味、ジャポニスムだなあ。

講演終了後、以下の質問がありました。「西洋の服を解放したのはきものであったのに現代の日本人は洋服に開放感を感じるのは?」深井氏の答えは「戦後、モダニゼーションが主流となった時、きものは観念の解放を得られなかったのでは」。なるほど、モダニズムは街作りや建築など生活環境に浸透しましたからね。

最後に発言した和服姿の女性は「日本では元々、布地が貴重であったことからきものに合わせた生活様式、所作ができたようだが西洋は着る人が主役だったように感じる」と。

きものは日常着になるだろうか?これは私も以前から考えてるんですが、多分流行と言うより、個人的な規模の浸透ですかね。少しずつ街で目にする機会が増えて若い世代が個人的にアレンジしていけば友禅や機織の作家、職人の裾野も広がるんでしょう。よし、解放的なきものの着こなしだ!


⬆️最後に、講演会場でお会いしたきもの研究されてるサスキアさん。染芸展の写真見せたら「田邊先生とシーラさんだ!」って。お知り合いなんだとか。

きものとヨーロッパ。
世の中つながってるんだなぁ。
つくづく。