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文化学園大学「FUSE」2011ファッションショー

文化学園大学は、今年校名を新しくしての初めての文化祭。
「0(ゼロ)—A New Start−をテーマに、
今までの伝統を引き継ぐと共に、
この1年を再スタートのきっかけとして
さらなる可能性を広げていこうという思いが込められているようです。

昨年初めて拝見して感動したのが
文化学園大学「FUSE(フューズ)」のファッションショーです。
1年生から3年生までの学生有志で構成した
「企画集団FUSE」が行うショーは今回で31回目。

演出、モデル、スタイリング、ヘアメイク、照明、映像、
音響、プレスのすべての役割を学生だけで行う
学内唯一の有志団体のファッションショーです。
先輩が後輩の指導をしながら
そのDNAを伝え、31年目になりました。

今年は『廻る』をテーマに、過去、現在、未来のFUSEを
リンクさせるような作品を見せてくれました。

『epilogue〜エピローグ〜』
オープニングは、迫力のあるコンセプチャルな作品です。
「終わりという名の始まり」という表現で
拘束衣のようなスタイリングが提案されました。

『華葬』
嫉妬に狂う鬼女の面を小道具に、艶やかな色彩の
エキゾチックな衣装を展開。

『baroque』
ゴージャスな装飾を歪ませたような、FUSEならではの解釈の
バロック表現です。

『poker』
表・裏、昼・夜、白・黒など、対極のもので構成される
自然界や社会をテーマに…

『Muji maly』
幼い頃に見ていた空想と幻想の世界を表現。
ファンタジー溢れる表現は文化学園大学の得意とするところ!

『Lattice』
物置部屋に忘れ去られたオモチャをタータンで表現。
オモチャの兵隊や女王様のような衣装が
パッチワークやコラージュの手法で今の感覚に!
とてもいい作品でした。

『soon』
オープニングの作品にも通じるコンセプチャルな表現。
グラデーションがとてもきれいでした。

『廻る』
フィナーレは、モダンファンタジーともいえる
オブジェのようなボリューム感が新鮮な
美しいグラデーションの衣装。
最後を飾る白のマリエがとても素晴らしかったです!

「FUSE」のショーは、モデルは個性溢れる学生さんで、
作品のレベルにもばらつきがあり
決してすべてがクールで洗練された作品ではありませんが
本来の学生作品ショーの原点があるような気がします。

私たちはパリコレのような完成されたショーを
求めているのではなく
ここまでたどり着いた頑張り、学生さんたちの熱い思い、
一生懸命な姿に感動を覚えます。

ぜひこのDNAは絶やさず「伝統」として
これからも後輩たちに伝え続けていって欲しいものです。

今年も、いいショーをありがとうございました!