編集長ブログ

『ほぼ日』の“フィッシャーマンズセーター”ビジネス

被災地は既に経済復興の段階に入っており
単に「被災地の品物」ではなく
ビジネスとしてきちんと成り立つ一流のもの作りを目指すべき。
そう語っている糸井重里さんの新聞記事がありました。

糸井さんが主宰する『ほぼ日刊イトイ新聞』は
気仙沼に事務所を開設し、復興支援を続けながら、
地元が自立できる新しいビジネスを模索していました。
その方法のひとつとして考えているのが
気仙沼の漁師のおかみさんパワーを結集した
“フィッシャーマンズセーター”ビジネスだというのです。
しかも、1着10万円以上を目指し
本場の英国から講師を呼んで指導してもらう。
その後はそのノウハウを他の人に伝えていき定着させ
サイトを通じ、世界中に販売したいと。

鳥肌が立ちました!

“フィッシャーマンズセーター”は
アイルランドのアラン諸島で編まれる
“アランセーター”とも呼ばれる
伝統的な手編みのセーターです。
島の女性が、漁に出る夫や恋人のために編んだことから
“フィッシャーマンズセーター”の名があります。


“フィッシャーマンズセーター”には漁に出る男たちのために、
安全と豊漁を願う独特の「アラン模様」が編み込まれます。
それぞれに意味の持つさまざまな「アラン模様」があり、
女性たちは工夫を凝らしメッセージを込めた柄を構成し編んでいきます。
(『テキスタイル用語辞典』より抜粋したページ)

まさにそのルーツといい、
気仙沼の漁師のおかみさんのビジネスにうってつけ。
防水性のある未脱脂ウール(脂を抜かない)の
太い毛糸で編まれる“フィッシャーマンズセーター”は
ごわごわしているので、編むのにもかなり力がいります。
やわな女性の手では歯が立たないかもしれませんが
漁網の扱いにも慣れている逞しい漁師のおかみさんの
根性があれば、それも可能。

気仙沼が日本のアラン諸島となり
伝統的な“フィッシャーマンズセーター”の産地になるなんて
なんてロマンがあるのでしょう!
ぜひ応援したいものです。
そしてこの「一流もの作りコンセプト」を、
地方の活性化や産地の活性化に活かせないものか…と。