素材の話

岩手の伝統工芸に、魅せられたブランド。

岩手県にアトリエを構えるブランド「コシェル2(ドゥ)」をご紹介します。
先日行われたIFFで、その個性がとても目を惹き取材させて頂きました。
「コシェル2」の魅力は「張り子」の技術を使い
伝統工芸とファンタジーをコラボさせた
技術に裏付けられた豊かな表現力にあります。

オーナーの小笠原 禎(ただし)さんと、デザイナーの澤藤 詩さんは
(たぶんご夫婦だと思います)
下北沢でバッグや雑貨などのショップ兼アトリエを展開していましたが
新たな創作活動を目指し、下北沢の「コシェル」を閉め
澤藤 詩さんの故郷でもある岩手県の金ヶ崎町に移り住み
2010年の1月より新ブランド「コシェル2」を立ち上げました。
「コシェル」とは岩手の方言で「こしらえる」という意味だそうです。
「あっそうか!」と秋田出身の私は納得です。

澤藤 詩さんの実家が「六原張り子」という
有名な郷土玩具を作っていることもあり
「張り子」の新しい表現を目指して創作活動が始まったのです。
六原張り子や漆の伝統技術を「現代の名工」の方に教わりながら
みたこともないような
ファンタジックなバッグやアクセサリーに表現されます。

和紙を張った「張り子」は中が空洞なのでとても軽いのです。
このように水にも浮きます。

普通の張り子をさらに丈夫にするため
麻布を1枚張り、その上から漆を何回か塗り重ねます。
これはまだ漆を塗る途中ですが
このままインテリアとしても素敵です!

デザイナーの澤藤 詩さんから漂う雰囲気そのままが
作品に溢れているような気がします。

ドクロのバッグも、どこか愛おしいような気が…

大きなネックレスもブローチもびっくりするくらい軽いのです!

岩手の民話から飛び出してきたような
ウサギや猫や鳥たちが、本当に可愛いバッグに仕上げられていました。
お洋服にもユカタや着物にも合そうです。

「コシェル2」は地元で創業・起業などを行う中小企業を助成し
県の産業振興を目指すための「岩手希望ファンド支援事業」に
採択されています。
地方の伝統文化を継承しながら新しいもの作りを目指している
「コシェル2」をぜひ応援したいものです。
本当にこれから楽しみなブランドです。
まだショップ展開は少ないので、欲しい方はネットでどうぞ!

【Textile-Tree/成田典子】