素材の話

2012「JFWインターナショナル・ファッション・フェア(IFF)」Vol-5

JFW-IFFは日本のファッションビジネスにおける最大級の展示会です。
「元気を分けあい、みんなで復興をサポート!」を
キャッチフレーズにした『にっぽん元気マーケット』が
出展していましたのでご紹介します。


にっぽん元気マーケット』は、
東日本大震災により被災した中小企業の皆さんの
地域産品や生産地をアピールして、
今後の販売先を支援し、その復興を応援するプロジェクトで
中小企業庁が主催しています。
今回のJFW−IFFには、新しい販路開拓を図り、
高い意欲と情熱を持った約30社が出展しました。

まずは岩手県奥州市の藤里木工所がコラボレートしている
一般社団法人EJP(East Japan Project)を紹介します。
EJPは、被災により、かけがえのない技術・技が失われる
大変な危機に直面している東北地方の職人さんたちを
支援しようと立ち上げたプロジェクトです。
東北の職人さんと国内外のコンテンポラリーデザインの
コラボレーションを通じ、「新しい生活」のためのプロダクトを提案。
敷居の高い伝統工芸品ではなく、
誰もが普通に生活の中で用いる「新しい日用品」を作るというものです。

建築家の隈研吾氏を中心に、「MOUNTFUJI ARCHITECTS STUDIO
NOSIGNER」「NAP建築設計事務所」など、トップクラスのクリエーターが、
東日本の職人さんたちとコラボしています。

宮城県鳴子温泉のこけし職人の“ろくろびき”の技術を用いて
1点1点手づくりした「こけしライト」と、「こけしボトルキャップ」。


・・・・『NARUCO kokeshi』:こけし職人「松田工房」×デザイナー「NOSIGNER」・・・

江戸時代から“張り子の人形”作りの集落として歴史と伝統を受け継いでいる
福島県高柴村の張り子技術による“起き上がりこぼし”のようなペン。


・・・・『立ち上がれペン』:「デコ屋敷大黒屋」×建築家「MOUNTFUJI ARCHITECTS STUDIO」・・・・

“千鳥格子”のように、細い木製の角材を釘を使わず格子状に組み合わせる
伝統的技術を用いたもの。2007年ミラノサローネにも出展。
12 本の部材を組み合わせて1 ユニットのフレームを作ることで、
自由につなげていくことのできる家具にもなります。
岩手県奥州市で江戸時代から伝わる
伝統的な岩谷堂箪笥を作っている藤里木工所が製作。


・・・・『CHIDORI』:木工職人「藤里木工所」×建築家「隈研究建築都市設計事務所」・・・・

福島県大沼郡の「会津桐箪笥」の木工職人の
精緻な技で制作したユニットシステムの衣装箱。
良質な材料として知られる「会津桐」を使い、
一つ一つ手作業で丁寧に作られた一生もの。


・・・・『キリハコ』:木工職人「会津桐タンス(株)」×建築家「MOUNTFUJI ARCHITECTS STUDIO」・・・・

EJPは、東北の職人さんたちとクリエーターがコラボして、
持続可能な新しいライフスタイルのための製品を開発。
この活動を通じ、工芸職人さんたちの知識や技術の保存、更新、
そして東北地域の経済やモノづくりの文化の振興に寄与しようと
商品売上や寄付金をもとに、
職人志望の若者の育英基金を設立することを目指しています。

この他にも福島県会津若松市で、
国内初の「表彰楯」の製造メーカーとして創業した「(株)関美工堂」が、
会津塗りの伝統技術を活かして蒔絵のiphoneカバーや
漆のグラスなどを出品。


・・・・「しぶいち漆グラス」:(株)関美工堂
切り子仕上げをした江戸硝子に漆を施したもの・・・・


・・・・「ノダテマグ」:(株)関美工堂
会津の木工職人によるろくろ挽きと、会津の職人による拭き漆仕上げで
製作したマグカップ。漆塗りの食器のように保温・保冷に優れ、軽量で難壊。
革ひもを通してリュックに下げ、アウトドア用としても・・・・

宮城県仙台市で、「衣食住のライフスタイルをデザインする」をコンセプトに、
家具、雑貨の輸入卸し販売などを行っている「(有)カラーズ」。
写真はニューヨークで企画し、ネパールで製作している
メリノウールのフェルトアクセサリー。
きれいない色使いとファンタジーなデザインが目を惹きました。


・・・・フェルトの花ストール(約170cm)これで6,500円は安いかも・・・・



・・・・製法はニードルパンチかな?
ゴースとフェルトをドッキングしたストール・・・・