素材の話

「ギフト・ショー秋2012」vol.2中小機構「Nippon HEART GIFT」

第74回東京インターナショナル・ギフト・ショー秋2012」では
中小機構が「Nippon HEART GIFT」をテーマにしたブースを展開しました。
中小機構は、経済産業省所管の独立行政法人で、
正式名称は「独立行政法人 中小企業基盤整備機構」。
日本経済を支える中小企業を元気にすることをミッションに
全国9カ所の地域本部を通じて様々なサポートをしています。


・・・・中小機構のインフォメーション・・・・


・・・・「Nippon HEART GIFT」のガイドブック。シンボルマークは
世界15カ国語の「贈る言葉」でできています・・・・

ギフト・ショーには、全国から57社が集結。
日本の伝統技術や優れた技術をもつ商品、ユニークなコンセプトの商品など、
ギフト・ショーにふさわしい「日本のいいもの」を提案しました。
特に今回は、国内はもとより、世界に向けての発信が大きな目的。
“日・英・韓・中” 4カ国語の冊子制作や、
商談などを行うカフェコーナーの設置、専門家のサポートなど、
海外販路を拡大する国際化支援のもと、
積極的な営業活動が行われていました。

(有)中村金襴工場』

広島県福山市の(有)中村金襴工場は、昭和29年(1954年)創業、
掛け軸や額装に使われる金襴(きんらん)や緞子(どんす)の製造では
日本の70〜80%のシェアを占める織物メーカーです。
Textile Treeのサイトでも何度か紹介しています。

ホログラム箔金襴と、文化学園大学のファッションショー

中村金襴工場のホログラム箔金襴


・・・・・金襴のゴージャス&モダンを打ち出したインテリアやバッグ・・・・


・・・・モノトーンで統一された、インテリアの新ブランド『CAITI』。
金襴織りの老舗メーカーならではの伝統柄が用いられているのが特徴で、
吉祥柄や名物裂の柄、加賀前田家伝来の柄など、柄の物語が面白い・・・・

掛け軸の需要も低迷している今日、新しい販路開拓を求めて
インテリアの自社ブランドを開発。
中東のドバイでの展示会をきっかけに「世界をアッと驚かす!」
新素材の開発にも取り組んでいます。
特に、金銀泊を織り込んだ「引箔織り(ひきばくおり)」の技術を応用して
独自に開発した「ホログラム金襴」や、「エナメル金襴」は、
マスコミにも取り上げられ、話題になりました。
今後も積極的に自社製品の開発に取り組む予定で、
負けず嫌いで、研究熱心な中村幸弘社長の挑戦は、
まだまだ続きます。


・・・・ホログラム糸を織り込んだ「ホログラム金襴」のバッグインバッグ。
角度により虹色の見え方が変わるのはホログラムならではのもの。
ラメとは違う輝きです・・・・


・・・・トレンド色を採用したラメのバッグインバッグ・・・・


・・・・風呂敷にハンドルをつけるとバッグに早変わり!・・・・


・・・・新柄の「桃柄」。ジャカードの上にプリントを重ねたもの・・・・

『大東寝具工業(株)』

大東寝具工業(株)は大正14年(1925年)、
京都壬生で布団の製造と販売を生業として創業。
「快眠とくつろぎの創造工房」をコンセプトに、
研究を重ねた寝具やインテリア関連の快適製品を提案しています。
以前Textile Treeの『素材の話』でも紹介させていただきましたが
ホルマリンなどを使用しない、昔ながらの晒し製法で作ったガーゼのブランド
京和晒綿紗(きょうわざらしめんしゃ)』など、
大東利幸社長の哲学の元に、数々の優れた製品が開発されています。


・・・・傾斜した状態で寝る枕や、横向きで寝やすい寝具が展示・・・・


・・・・難題に立ち向かい、快適寝具を開発し続ける大東利幸社長・・・・


・・・・デザイン性にも優れたパンフレットやタブレット型コンピューターで紹介・・・・

ギフト・ショーには、逆流性食道炎の方をサポートする
「傾斜寝姿勢サポート寝具」や、
無呼吸症候群やいびきによる睡眠障害用のサポート寝具
Soo Soo +(スースー プラス)』などを展示。
実験データを見せてくれたり、社長自らが横たわりモデルとなるなど
熱い思い込めた説明をしていただきました。

『(株)ベティスミス』

思わずキャラクターの「ベティちゃん」に惹き付けられてしまったのが
(株)ベティスミス
のブースです。


・・・・リサイクルグッズ『ECO Betty』に焦点を絞った展示・・・・

国産ジーンズ発祥の地の倉敷で、1962年に創業。
70年代初めにビッグジョンの女の子版ジーンズとして
「ベティスミス」の名前でジーンズ界に進出しました。
当時、女性用シルエットを追求したジーンズというのは画期的。
レディースジーンズブランドとしての地位を築きました。

現在倉敷では、ジーンズ作りを体験できる「体験工場」や
ジーンズミュージアム」も人気をよんでおり、
また「オーダージーンズ」を行うなど、
お客様との触れ合いを大切にしたアットホームなブランドとして
独自の存在感を放っています。


・・・・「ベティちゃん」は、ペコちゃんやキティちゃんと並ぶ永遠のキャラクター。
国産デニムの老舗ブランドらしいヴィンテージの雰囲気が、とっても新鮮!
もっとキャラクター化して欲しいな・・・・


・・・・非売品ですが、ベティちゃんの飴も作っています。カワイイ!・・・・

今回のギフトショーには2003年からスタートした『ECO Betty』が出展。
ジーンズ製作で余る、端切れなどを利用した
バッグ、ポーチ、ペンケース、ワインボトルケース、スマホケース、
携帯ストラップなどのリサイクルグッズを製作。


・・・・スマホケース。けっこう本格的なジーンズ仕様の作りです。・・・・


・・・・素材もジーンズと全く同じ!お揃いです・・・・


・・・・ジーンズ仕様のポケットや、赤のファスナーが効いています!・・・・


・・・・コルクを使ったワインボトルケースやコインケース・・・・

リサイクルデニムで、アートなデニムクラフトを
製作している方もいらっしゃいますが
『ECO Betty』は、あくまでも必要以上の手間やコストをかけない、
「量産化できるデザインとリーズナブル価格」がポイント。
しかし、本格的なジーンズ仕様の小物類は、
ジーンズメーカーならではの“さすが!”というものばかり。
まだまだ実験段階で、これからアイディアいっぱいの
商品が提案されるとのこと。とっても楽しみです!

『カワバタプリント』

カワバタプリントは、“手仕事”の味わいを大切にした手工捺染で
染めを行っている京都の工房です。
ギフト・ショーでは「新万葉染め」というコピーに惹き付けられて取材。
代表の川端康夫さんにお話しを伺いました。
「新万葉染め」は、カワバタプリントが独自に開発した天然染料染め。
天然染料で万葉の時代をイメージするような色調で染めることから
その名が付けられました。


・・・・「新万葉染め」の商品は「matoi」というブランドで展開・・・・


・・・・「新万葉染め」の染めキットも販売されています。
下は藍染めの糸や柿渋染めのストール・・・・

しかし、「新」とあるところがポイントなのです。
従来の草木染めの5分の1程度の分量の染料で、
しかも1回の染色で鮮明な色に染めることができるというのです。
通常の草木染めでは、原料を煮出して、色素が溶けた液(抽出液)を使用し、
染めを繰り返すことで色を濃くしていきます。
「新万葉染め」は、色材を細胞レベルの近さに微粉砕する技術を開発。
それを煮出すと色素の大半を分解せずに溶出できるため、
抽出液の濃度を上げることを可能にしたのです。


・・・・マリーゴールド(黄色)、ログウッド(パープル)、茜(オレンジ)の染料・・・・


・・・・万葉のイメージに染めたヘンプ・・・・


・・・・いにしえの雰囲気を出した絞り染め・・・・

絹はもちろん、染まりにくいウールや木綿も
少ない染料で、農色に染め上げることができるといいます。
染め重ねの手間と原料費の削減を行うことができる、
まさに省エネでエコな染色法。
また、合成染料のように、いくつもの色材による
「配合染色」が自由にできることも大きな特色です。
データ化しているので、色ぶれがないとのこと。
「新万葉染め」は、ハイテクと伝統的な天然染料染めの技術を融合させた
染め技法として注目されています。