編集長ブログ

資生堂アートディレクター成田久さんの『洗濯物』

お友達のスタイリストのシオちゃんのお誘いで
資生堂のアートディレクター成田久さん(通称CUEちゃん)の
作品展『洗濯物』に行ってきました。
シオちゃんとCUEちゃんは大の仲良しで、
名前が私と同じ「成田」であることもあって、
「ぜひ会わせたいの!」と
二人の共通点を見つけるのを楽しみにしていました。
(残念ながらこの日はお会いできませんでした)

この作品展は3月末に開催される予定でしたが
あの大震災で延期に。
今回は表参道の「ギャラリーワッツ」では作品を
蔵前の「カワウソ」では写真展が同時開催されました。

CUEちゃんは多彩な才能の持ち主で
現役の資生堂のアートディレクターではありますが
アーティストとしても活動し「カリスマアートディレクター」とも
いわれているようです。


何とも愛らしいこのキャラクター!

シオちゃんはCUEちゃんが大好きで
ホントに心がピュアで可愛くって、
ものすごい才能があるのよ!って、絶賛。

アート作品はテキスタイルを使ったものが多く
しかもコスチュームアートで、実用性も兼ねています。
カラフル感があり、エネルギーと優しさがあり、元気をもらえそう!
今回の作品展もとても楽しみにしていました。


・・・CUEちゃんの作品集のArt Book・・・

いただいた案内状には、
清潔感溢れる真っ白な洗濯物が干してあり
今回は「白」なのかな…と思いきや!
なんとギャラリーにはカラフル感溢れる、様々なテクスチャーの
スカートやドレスが無造作に!

えっ!これなの…アっそうか、洗濯物ってこれね…

CUEちゃんは案内状と展示のギャップを狙ったのだとか…

驚いたのはすべての作品に細かなステッチがたてよこにかけられ
ハニカムやワッフルのようなテクスチャーになっていることです。
長いベルトもたくさんの細かなステッチがかかっています。
しかもこれをCUEちゃん一人でやっているというのです。

「CUEちゃは、こうしてコツコツとステッチをかけている時間が好き」
というのよ…と、シオちゃんが教えてくれましたが
売れっ子の超カリスマアートディレクターが
ミシンに向かい、嬉しそうに黙々とステッチをかけ続けている姿は…
ちょっと…信じられない光景です!

すべての作品はデザインも柄も違い
どれひとつとして同じものはありません。
訪れた人が、その場で自由に着たり巻いたりしながら
作品と自分が一体化しながら
自分に似合うものを探し、意外な自分を発見して
楽しそうな時間を過ごしていました。
(自由に楽しんで!というのがCUEちゃんの趣旨。洗濯物ですから…)


・・・こんな素敵なドレスもありました・・・


・・・シオちゃんも愛用しているバッグ。洗濯してもクタクタになりません・・・


・・・「ギャラリーワッツ」オーナーの川崎さん(素敵な方です!)のはいているのが
CUEちゃんの巻きスカートです。巻き方で柄の見せ方も変えることができます・・・

イージー感がある巻きスカートなので
体型に関係なく着ることができます。
いろんな色や柄があり、デザインも長さも違うので
巻き方や着こなしで表情が変わってきます。
CUEちゃんの思いが伝わってくる、
よく考えられた優しい服だなと思いました。

そしてこの「ワッフルステッチ」が、素材の張り感を出すので
フォルムに立体感を出すことができるのです。

これってまさにオートクチュールの神髄!
“クチュールフォルム”に仕上がっているのですから。

ちょっと感動しました。

私もさんざん試着して、あれもいいし、これもいいし…と
どれにしょうか(いまも)悩み続けています。

最近は色がなく、柄がなく、フォルムもない服が多い中
まるで「きもの」のように、テキスタイルを纏う
CUEちゃんのコスチュームは
装うことに、ロマンをあたえてくれる服だなと思いました。
トレンドではなく「自分らしい服」を選ぼうと
真剣に考えた時間でした。

CUEちゃん、会ってみたいなあ…