「rooms25」Vol.3<地場産>:父の張り子技術を継ぐ『コシェルドゥ』

今回の「rooms25」は、「日本の活性化」をコンセプトに、
地場産業にスポットを当てた<地場産>エリアを設置。
岩手の「六原張り子」を作り続けている澤藤範次郎さんの『さわはん工房』と
その張り子技術を応用した娘さん(澤藤詩子さん)のブランド『コシェルドゥ』の
父娘のダブル出展となったので、取材させていただきました。

『さわはん工房』の取材はこちらをご覧ください。

http://www.textile-tree.com/blog/?p=4129


・・・・『コシェルドゥ』デザイナーの澤藤詩子さん・・・・

もともと『コシェル』は、下北沢を拠点に
ご夫婦でユニークなバッグを製作していましたが
その後、奥様でデザイナーの澤藤詩子(さわふじ うたこ)さんの
ご実家のある岩手へと移住。
ご実家の『さわはん工房』で「六原張り子」の技術を学びながら
コシェルドゥ』を立ち上げたのです。


・・・・テーマはアパートの玄関先に巣を作った「ツバメのはなし」。
巣作りして卵を産み、あたため、雛を育て、巣立っていった
物語がバッグになりました・・・・


・・・・かわいい雛たちがたくさん生まれました・・・・


・・・・せっせと親は餌をはこびます・・・・

展示会では、ご自宅に巣を作ったツバメの親子をテーマにした新作を披露。
本来専門とするバッグを中心に、アクセサリーは控えめの展示です。
「コシェルドゥ」のバッグは、どこにもない誰もやったことのないものです。
南部藩の御用紙として使われた、丈夫な「成島和紙」を使用した張り子に
さらに丈夫にするために麻布を貼ります。
その上には岩手北部の伝統的な漆器である「浄法寺塗り」の手法を用い
“生漆(きうるし)”を重ねていきます。
生漆とは、不純物を取り除いた、精製していない漆のことです。


・・・・真っ白い壁に、木を描き、ツバメの巣の張り子をディスプレイ。
鞄の表面の張り子の型となるものです。すべて自分たちの手づくりです・・・・


・・・・張り子のアクセサリー。とても軽いです。バッグをかけるフックや、
鳥たちのレリーフも張り子です。カワイイ!・・・・

ご主人の小笠原禎さんは、張り子や漆の技術を習得するため、
作家の先生や職人さんから学んだり、工業技術センターの協力を得るなど、
まだまだ修行中といいます。
試行錯誤をしながら、使い勝手や丈夫さ、造形美を追及しています。
新作のショルダーバッグは、体に当たる側が
キャンバス地で柔らかく改良されていました。


・・・・ファイルに入れられていた張り子のバッグが作られる工程・・・・・


・・・・「Bag on Bag 」一見、革の金具付きのバッッグのような、
トロンプ・ルイユになっています・・・・


・・・・体に当たる部分はキャンバス地で、柔らかい仕上げに・・・・


・・・・鳥のハンドバッグも人気のシリーズ・・・・

張り子の師匠である澤藤範次郎さんは、新しい表現を求めて
その先代であるお父さんと考えの違いで
常にぶつかっていたといいます。
新しいことに挑戦しようとすると、必ず壁にぶつかる。
しかし、その壁を乗り越えないと新しいものは生まれない。
恐らく、娘さんご夫婦もその壁にぶつかりながら、
新しいクリエーションに挑戦しているのでしょう。
拝見するたびに進化している作品には、
努力と研究の成果と、作ることの楽しが物語られています。


・・・・博物館の展示のようにしたかったという、
縄文土器シリーズのバッグ・・・・


・・・・東北などからも出土している火焔土器をイメージしています・・・・


・・・・張り子の原型は、こんな感じです・・・・


・・・・生漆を何度も塗って革のような風合いに仕上げます。
漆は中国産を下塗りし、最後は岩手産の漆で仕上げます・・・・・

娘さんご夫婦は「六原張り子」の伝統的な張り子人形を製作しながら、
張り子と漆技術による斬新なバッグやアクセサリーを製作。
売れ筋や値段の追求、マーケティングによるもの作りとも違う
独自の世界観とクリエーションを広げる創作活動は
今後も変わることはないでしょう。
それに共鳴してくださる方は、確実に増えているようです。
なかなか真似のできない、“オンリーワンブランド”は
やっぱり魅力に溢れています。

 

 

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