編集長ブログ

「徒歩4時間30分+バス50分」3 ・11帰宅難民体験!

すごい地震でしたね!
ちょうどこの時間は渋谷ツタヤ6階で
新しく編集スタッフに加わったベテラン編集者の久野さんと
『テキスタイル用語辞典』の打ち合わせをしている最中でした。
本屋さんに併設されているカフェでは
かなりの揺れで、スタッフの指示でお客様はテーブルの下に隠れましたが
カウンターの上のボトルがバタバタと床に落ちて割れ
本屋さんの本が落ちでそこら中散乱している状況。
ツタヤの4階まではそのまま営業されましたが
それ以上の階は揺れが大きく被害が大きかったせいか、営業されませんでした。

携帯で撮った写真です。なんか動揺しているせいかうまく撮れませんでした。
カフェではボトルが割れ、本屋さんでは本が散乱していました。

揺れがおさまってから外に出るように指示され、まずは安全な駅前広場へ。
(結局お金は払わずじまいでしたが…)
地震情報が欲しくて渋谷スクランブル交差点の電光掲示板を見たのですが
コマーシャルばかりで地震情報はちっとも写らない…
(こんな時にこそすぐに流して欲しいのに)
決局は携帯のワンセグなど、携帯でテレビ情報を見ている人がほとんど。

地震直後の渋谷の様子。皆さん不安げに電光掲示板を見ていましたが
情報は流されず、駅の交通情報も分かりにくい状態でした。

渋谷の「ハチ公口」のモザイクの壁画が
余震のときに「飛び出す絵本」のように前後に
グアングアン揺れていたのには驚きました。

携帯は繋がらないし…電車は全て止まっているし…
とりあえず目黒に住んでいる久野さんの住まいに向かうことにしました。
ところが久野さんの住まいは足の踏み場もないくらい
地震の揺れで資料や何やらが散乱しており、まずは片付けが先と
私はとりあえず目黒の駅で電車の開通を待つことに。
結局この日は電車が動かないことが分かり
とにかく行けるところまで歩こうと夜7時頃に出発。
目黒から、恵比寿、渋谷、原宿を通り、まずは新宿に向かいました。

渋谷は身動きできないくらいの人!
ぞろぞろと、原宿・新宿方面に帰宅難民(帰宅困難者)の
たくさんの人が歩いています。
どこのコンビニもたくさんの人が、飲み物や食料を買っていました。
靴屋さんはスニーカーを買う女性客でいっぱいでした。
中にはスリッパを履いて歩いている女性もいました。

渋谷のバス乗り場はバスを待つたくさんの人で溢れていました。
運良く乗れたとしてもものすごい渋滞でほとんど動けない状態でした。

幸いにも私のこの日の出で立ちは、
ワーキングブーツにジーンズ、暖かな毛のついたアーミーコートという
まるでこのことを予想していた(?)かのようなスタイル。

新宿からは青梅街道に出て、後はひたすら家を目指し街道まっしぐら!
結構快適に歩いていたのですが
さすが歩きはじめて4時間近くになると、太ももや背中が痛くなり
かなり厳しい状況に…
街道沿いのホテルでは、水を提供しているところや
消防署や、企業などでは「トイレ」を提供してくれたり
区役所の職員が、緊急避難所の看板を掲げ
帰宅難民の避難所になっている小中学校を誘導していました。

月明かりの下、ただひたすら家を目指し黙々と歩く
たくさんの人たちの長い列がずっと続いていました。

車は超渋滞で、バスは超満員。バスを待つ長い長い列ができています。
こういう時は、体が元気な人はやはり歩いた方が確実のようです。
中には自転車屋さんで、自転車を買っている人もいました。

携帯電話はなかなか繋がりませんでしたが
時たま繋がることがあり、主人からはメールも含め
交通情報や励ましの言葉が!
しかし「痩せると思って頑張れ!」とは…

荻窪まで何とか頑張ってたどり着いた時には
既に歩きはじめてから4時間30分経過。
運良くバスが止まっており、ぎりぎり飛び乗ることができました!
普段は20分から30分くらいですがこの日は渋滞で50分かかりました。
でも本当に助かりました。
家について、まずはビールを!!
主人からは「よく頑張った!」とお褒めの言葉を。
そのあとはお風呂にも入らずバタンキューでした…

今回の東京の地震体験は、ある意味で都市型大地震の
いいシュミレーションになったのではないでしょうか。
私自身も「いざというときのための」妙な自信がつきました。

あの後久野さんは、友人の救済のために車でかけつけ
大渋滞に巻き込まれながら、午前2時過ぎに帰宅したようです。
朝に下記のようなメールを頂きました。
「昨日救出した友人の会社は仙台および東北関係に
仕事関係者が多くいて、朝方ようやく電話で確認したところ
ある人はショッピングモールでエスカレーターに
乗ろうとした瞬間に地震が発生し、
そのエスカレーターは目の前で落下したそうです!
人が乗っていたそうです!そしてエレベーターも全部落下!
まだまだ報道されていない状況がたくさんあるってことですね。」

今日起きて、東北地方の被害者数や被害の大きさを知り
愕然とし、身震いしております。
今日は新潟や長野でも地震があったようです。
宮城や福島などは親戚も多く安否が心配です。
被災し亡くなられた方たちのご冥福をお祈りしつつ
何とか早く立ち上がってくれることを心より願って止みません。